生存報告 20181124~分離派の話/宇多田ヒカルの話/慢性鼻炎さんの話~
最近なにもない虚ろな日々を送っているなぁと思って昨日ああいった文章を投稿してみたが、いざこういう報告をただ日時に載せて書くということをしてみると意外と書くことがあった。自分の感情をしっかりと握っていきたい。
・分離派の話
最近、小袋成彬さんの「分離派の夏」を聞いてそのクオリティに打ち震えた。
最高です。ストリーミングで簡単に聞けるので聞いてほしい。
アルバムはまずモノローグから始まる。そのモノローグの詩的な要素に関する解説等は専門家の方に任せるとして、その裏で流れているギターの心地よさ、そしてあまりに詩としての形を保つがゆえに現実のものとしてのリアリティを崩壊させるようなことのない、語りの絶妙さに「あ、いいな」とちょっと思ってしまった。宇多田ヒカルにヨイショされてるだけのシンガーだと思ってすみませんでした。
おすすめの曲は「Summer Reminds me」「門出」の二曲。もちろん「Lonely One Feat.宇多田ヒカル」も良いけどどうせ皆さん聞いてるでしょ?(20ちょっとで大御所とコラボしちゃうの、ちょっとずるいと思っている)
リズムのとり方が心地よいし、基本として簡素なリズムで勧めているのでしっかりと体に馴染む。夜に見る写真のように鮮明で詩的で美しく響いてくれる。ふさぎ込みそうになったら「門出」を聞いて数年後の今の環境を巣立つ自分のことを考えようと思う。
その関連で分離派の○(任意の季節名)というApple Musicプレイリストが出されていて、それをよく聞くようになった。全体的に闇が立ち込めていると言うか、まるで夜のようなおおらかさと静けさを持ったような曲が多くて気に入っている。
その中で特に気に入っているのがこのアルバム。(twitterでは何度も紹介してます)
そもそも曲の長さ自体が短く、どれも激しい転調等がなくて落ち着いて聞いてられる。そして刺すような音が一切含まれていないやわらかいピアノの音も良い。ちょっとCDを買おうか迷っているレベルでヘビロテしている。皆様も眠れない夜にどうぞ。インストなので歌詞も入ってこなくて楽かもしれない。
・宇多田ヒカルの話
僕が生まれるくらいにデビューした人がまだステージで歌っている。この事実だけでもかなりありえない確率だと思うが、その公演を見れて本当に良かった、生きててよかった。
恐らくセットリストは変えない人だろうというのは何となくわかっていたので、(僕が知る限りCDに特典をつけるようなことをしていなかったし不平等が嫌いな人だというイメージが有る、実際セットリストは全日同じらしい)福岡公演の二日目だけ見に行った。
公演中に突発的に涙が出ることは最近多くなっていたが、本当に小学生の頃から曲を聞いていた身としては目の前で本人が歌を歌っているという事実を受け止めきれず、ずっと浮遊感のある夢を見てるような気分だった。
その歌の良さに気づいたのは高校生になってからだったけど、父母の影響でずっと聴いていた彼女の歌は人生においてかなり大きなものになっていたのも確かで、はっきりとその瞬間を刻みつけるように、自分の歌や音楽に対する喜びや希望を噛みしめるように彼女の歌を聞いた。
音楽的な話をすると、実は彼女の歌声はCDで聞くよりもそこそこ音域が低くなっていて、恐らく高域を得意として戦う女性シンガーとしては歌声の劣化を伴う(個人の想像です、正しいかどうかは専門家に聞いて)状況だったのだと思うけど、アルバムFantomeから一気に訪れた音作りの変化・曲の変化等を見ても前よりもずっと人間らしく歌を歌っている気がして、その力強さに呆然と震えていた。
誰かに歌っていたり誰かの気持ちを歌ってはいた気がするけども、自分の歌はあまり歌っていない印象を受けていたから尚更である。"道"という歌は宇多田ヒカルさんの歌だと思ってずっと聞いてる。僕は彼女の歩む道から希望をもらっている。
全体的に最新アルバムとFantomeの死と隣り合わせの少しネガティブな世界観が好きなので、活動再開直後のツアーといったヒットソング盛り合わせのライブも良かったがそちらも聞きたい。また聞けると良いな。
(ちなみに顔認証とデジタルチケットでの入場は極めてスムーズでした)
・慢性鼻炎さんの話
最近、芳しいついーとをする方々(蔑む意味で使っているわけではないです)をよくチェックするようにしている。ひとえに言ってみれば昔の歌集とかを見ていた平安時代の貴族さんもこんな気分だったのだろうと思いながら。
その中でも凄く甘酸っぱい気分にさせられる人として慢性鼻炎 (@hell2danawnaw)さんがいる。まずはこのモーメントをば。
愛を見た。えげつない力だ。力強すぎてちんちんに脳みそが生えたような僕は土下座をしてひれ伏すしかない。なんてこった負けました。
ここまで純然に人を愛せたことがあろうか......と自分の中で記憶を逡巡させながら絶望していた。灯台下暗しというけど自分の感情が信頼できない。何が好きでその好きは正しいのか。最近そういうことばかり考えている。俺は何処まで行けるのだろう。
慢性鼻炎さんは今の所まだこのモーメントにかかれている方とお付き合いしているらしく、楽しそうな写真が(匿名性を崩壊させない程度の)たまにUPされてくる。こういった自分のエゴを人に押し付けることなく、巧いように処理していっている生き方を見ると非常に妬ましくなる。僕はエゴを100出すか0にするかといった不器用なコミュニケーションのとり方しか知らない分、人との距離感といったものに苦手意識を激しく感じているし、そういった意味でこういう付き合い方ができればもっと気楽に生きていけるのだろうなあという羨ましさを感じる。
大人になるって何なのだろう。年令を重ねるごとに欲がなくなるとかいうことはないのだし、年を重ねるごとに色々なものを得ていきたい。
もっと鬱蒼なメンタル分析をしようと思っていたが、音楽の話をしたらすっかり話が長くなってそんな話をする気も失せてしまった。これでいいか。