めっとらいふぽてと

覚書で雑記でアフィブログ。

2019年の僕の音楽について

こんばんは、なまおじさん(@namaozi)主催の楽曲オタク Advent Calendar 2019 11日目担当です。ザクッと今年の音楽について長々と書いていこうと思います。

adventar.org

1.はじめに

はじめましての方は始めまして。私は福岡で音響の勉強をしている大学生です。音響の勉強、と言っても滅茶苦茶成績が悪いのであまり当てにならないかもしれませんが。
私は楽曲オタク、という枠組みのど真ん中にいるような人間ではなく、音楽が好きでライブに行くうちにそういった人たちと仲良くなった後にこのadvent calendarに参加する流れになった次第です。

 

 

 

 

2.今年良かったアルバム

まずは今年聞いてよかったと思えたアルバムについて。あまり単曲でする聞き込み方はせず、アルバムを通して聞く聴き方を心がけています。音楽というのは色々なところで持ち運びの出来るわけですが、作った人の意図する形で聞いて楽しみたいなというのが一つです。

2.1.ココベース/花澤香菜

楽曲提供者:槇原敬之, 岡村靖幸, 橋本絵莉子(ex.チャットモンチー)etc……の錚々たる面々を見て即購入しました。以前レビューしたことがあるのですが、各アーティストの味を潰すこと無く、花澤香菜の曲として見事に落とし込む佐橋佳幸さんのプロデュース、各アーティストの手腕、花澤香菜さんの表現力、全てが見事にマッチしている名盤です。
私のオススメはチャットモンチー橋本さん提供の”おとな人間”。30代に突入した花澤さんの大人らしさの見える心の強い曲に仕上がってます。もともと花澤さんはチャットモンチーの曲が好きだそうです。

 

2.2.METAL GALAXY/BABYMETAL

下半期のリピート率でいえばダントツでこれです。B’z松本さんの超テクギターを交えたゴリッゴリのダンスナンバー、DA DA DANCEだけではなく、言葉選びやギターのフレーズまで狙った古さを醸し出している名曲Brand New Day等、メタルというジャンルを基本とし様々な世界へいざなってくれるこの一枚はまさにGALAXYの名に相応しい広大さを見せてくれる作品だと思います。
リリースツアーの追加公演、私は一日だけ参加する予定なので当日がとても楽しみです。

2.3.Same Thing/星野源

 

去年の今頃に”POP VIRUS”がリリースされ、表題曲に度肝を抜かれた記憶がまだ新しいですが、今年も素晴らしいEPを作ってくれました。毎回毎回新譜を持ってこられる度に新たな驚きと好奇心が刺激されます。とても大好きなアーティストです。
さて、今回のEPですが、superorganismを交えたSame Thingを主題に、PUNPEE, Tom Mischなど素晴らしい面々を携えてのコラボEPとなっています。”Same Thing”の編曲はsuperorganismが手掛けており、彼らの曲同様低域のミックスが他のミクスチャー的な音楽とは一線を画したような独特なものになっており、個性が際立っているかと思います。
彼いわく、今回のコラボは”友達となにかやる”というのがテーマらしく、商業的な部分での辛みではないのだとか。それと対比させるように、ラストナンバーである”私”ではしっとりと、”今まで通り”の星野源の姿を見せてくれるような、星野源のスタンスを感じさせるような作品にもなっています。おすすめです。

2.4.新しい友達/川本真琴

川本真琴さんといえば岡村靖幸さんプロデュースの”愛の才能”が有名なのではないでしょうか、彼女自身の2019年発売の新譜となっています。詳細は知らないのですが、期間限定サブスク解禁のようなことを言っていましたので聞くなら今です。
音楽といえばコード等の技法やミックス、テクニカルな部分が語られがちな気がしますが(僕の所属コミュニティの関係もあるのかもしれません)、このアルバムは川本真琴さんが川本真琴さんらしくあれるような、そんな自分らしさの表現に繋がるような歌としての力を見せられたようなアルバムです。リード曲”新しい友達II”は、過ぎていく日々を肯定も否定もせずただ愛おしく思う、川本さんの遍歴を見ると拳に力が入るような素晴らしい溺愛ですので是非。
また、sportifyでは川本さん自身の制作したベストプレイリストが作成されています。これも併せてどうぞ。

 

2.5.The Sunshine of Your Youth/Cheerleader

 

西友で流れていてShazamして見つけたアルバムです。オルタナっぽいギターに寂しく響く空間の作り方がたまりません。私は英語に明るくないので歌詞カードを読みながらでないと歌詞を理解することがあまりないのですが、逆に他国の言語で歌われた曲を聞くことで、歌ではなくそれを音楽として捉えることができるような気がしてそれを気に入っています。

2.6.午後の反射光/君島大空

 

最近、崎山蒼志や長谷川白紙等若いアーティストに注目が向けられている日本の新人アーティストですが、彼の今年のアルバムは最高に良いです。”遠視のコントラルト”は必聴です。
君島さんの素晴らしいところは、曲の作り方や歌というところはもちろんなのですが、ギターやその他のバンドの音の広がりに緩急があり、色がどんどん染み渡っていくような鮮やかさを見せてくれる部分だと思います。

その感性が存分に生かされた”潜水/崎山蒼志 w 君島大空”も是非に。

 

 

2.7.New Young City/For Tracy Hyde

 

ピンポンの映画版などで”YUMEGIWA LAST BOY”等を聴き、SUPARCAR等のバンドの影響を受けていた僕からしたら2019年にこういった音のアルバムが出たのには衝撃を受けました。令和のスーパーカーと言われるくらいには懐かしさのあるサウンドと異常な透明感の歌声、まるで青春時代を回想しているような気分になれます。

 

2.8.Night Flow/パソコン音楽クラブ

 

夜をテーマにしたパソコン音楽クラブの新譜。リード曲でもあるreiji no machiを引っさげ、夜をテーマにした様々な曲を用意されています。9曲30分ととても短めのアルバムでもあるのですが、短い中にも夜という空間にある優しさや寂しさがしっかりと詰められているコンセプトアルバムらしさあふれる一枚になっています。 

ちなみにRemixも出てます。

 

2.9.井上陽水トリビュート

 

このトリビュート、めっちゃいいです。井上陽水さんの原曲が素晴らしいこともさることながら、各々のアレンジも素晴らしいです。私が好きなのはACIDMANさんの”傘がない”。ACIDMANさんが得意としていることで純粋に攻めてある感じがされててとても素晴らしいです。 

2.10.今日だけの音楽/坂本真綾

 

12月になると今までの流れを全部持っていくかのように素晴らしいアルバムが出ているのは気の所為でしょうか。坂本真綾さんの新譜、最高です。川谷絵音さんの”ユーランゴブレット”を始めとして、編曲北川勝利さんの”オールドファッション”等粒ぞろいの面子で揃っています。さらに、アルバムの曲の並べ方も隙がないです。最初から最後まで正座して聴きましょう。 

2.11.834.194/サカナクション

 

最高の一枚。現代的な一般層への売り込みも兼ねつつ、自分たちはどんな音楽をやりたいのか、どうありたいのかというルーツへのDigもされている、売れっ子になった今だからこそリリースされるべきアルバムに仕上がっていると思います。グッドバイという曲は、どうしてこんなに単純な進行でストレートな歌詞なのにしっとりと気持ちが暖かくなるような歌で、このアルバムがリリースされてから噛みしめるように聞き返しています。 

3.今年行ってよかったライブ

音楽は卓上でも楽しめるものですが、やはり僕はライブやクラブが大好きです。バンドの熱い演奏、自宅よりも表現力の高いスピーカー、箱だからこそ反響する音、観客の熱、それら全てが合わさって音楽というものは音源から新しく進化できるものだと思っています。 

3.1.0125 Superorganism @ Fukuoka BEAT STATION

「1時間で6000円ってどんだけ短いんだよ!金返せって感じだよね!」ってアンコール前にOrono氏が言うくらいマジで短くてあっという間のライブだったのですが、superorganismが音源でやってるあの変態的な音の塩梅がそのまんまライブで行われてるのを見てにっこりしながら聞いていました。当初vaparwave文化が今ほどバズっていない中で、グリッジエフェクトやドットメインの不思議な雰囲気がバチバチ聞いている演出の中であれが聞けたのはチケット代に代えがたい貴重な経験だったと思います。
私のお気に入りの曲は”Everybody Wants To Be Famous”です。みんなチヤホヤされたいの、というなんともいい加減な感じの曲をあの気だるいOronoのボーカルで語られるのは唯一無二の世界観があって最高ですね。また来日してきてくれ。 

 

3.2.0308 Wake Up Girls! Final Live "思い出のパレード"@さいたまスーパーアリーナ

WUGを全く知らないままWake Up Girls memorial BOX Vol.8を聞いて震え上がり即ワグナーにチケットを譲ってもらったあのライブ、最高でした。やはり特筆すべきはVol.8の4曲だと思います。起承転結、素晴らしい音楽が最後のライブで披露されるというのは、作曲家各々の技量だけではなく、WUGに対する思いがあったからこその作品だと思います。
お気に入りは”海、そしてシャッター通り”。最初の歌い出しが終わった後のストリングスの旋律が、終幕に向けての儚い物語の始まりに相応しいとても美しいものになっていて曲が始まってすぐに号泣してしまったのを思い出します。 

 

3.3.0727 UNISON SQUARE GARDEN "プログラム15th"@舞洲スポーツアイランド

かの有名なめがねこにチケットを譲ってもらいました。(マジでありがとうございます) もともと僕はCatcher in the spyでUSGを知ったくちなのですが、新旧併せて入り混じったセトリでとても楽しかったことを覚えています。
このライブに行ってとても記憶に残っている曲は”プログラムcontinued”の15周年バージョン。歌詞を噛みしめるように聞いて、”多分continued”という歌詞に合わせて伸びるボーカルを聞いて、野外という開放的な場所でわざわざ15th記念ライブをここでやる意味を実感した気がします。 

 

3.4.0823 DAOKO enlightening trip 2019@味園ユニバース

チケットを握って急遽参加を決めたこのライブ。生バンドということもあって”ステップラブLOVE”等を期待していたのですが、予想と反しインディーズ曲や1stアルバム曲多めのセットリストでした。とても昔の曲をやってくれたりして以前からのファンであった僕はとても嬉しかったです。
“ぼく”のアウトロで人力ドラムンベースのような事になったり、”Cinderella Step”のジャズアレンジが披露されたりととても特別なライブでした。
余談ですが、Cinderella Stepはサカナクションのベースも担当されている江島さんが編曲されています。是非どうぞ。 

 

3.5.0922 京都音楽博覧会@京都梅小路公園

NUMBER GIRLがヘッドライナーのくるり主催フェス。(NUMBER GIRLくるりがなんで一緒に!?と思ったのですが昔交流があったそうですね)NUMBER GIRLをひと目見ようと突っ込んだわけですが、音楽オタク岸田繁のチョイスは間違いなく、他の面々も中々最強な面子で昼から夜まで常に最高なフェスでした。NUMBER GIRLOMOIDE IN MY HEADもさることながら、くるりのガチプログレ曲である”Tokyo OP”、ストリングスを交えた”ブレーメン”、ワルツを踊れの曲である”スロウダンス””ブルーラヴァーブルー”等ウケる曲からマニアックな曲まで詰め込まれて最高でした。来年もぜひ開催して欲しいですね。 

 

3.6.1010 ハンバート ハンバート@イムズホール

ハンバートハンバート、一度行くとリピートせずにはいられない歌声とグルーブ感で魅了してくれる素晴らしいデュオです。私がこの公演で行われて嬉しかったのは”バビロン”や”虎”です。朗らかな曲が多いイメージですが、こういった負の感情をキレイに描ききる事のできる作詞センスやサウンドメイクは素晴らしいです。皆さんも是非。 

 

3.7.1026 折坂悠太のツーといえばカー @住吉神社能楽殿

Butajiさんとの対バン。京都音楽博覧会でも重奏という形でお目にかかった折坂さんですが、ご本人のギターのグルーブも素晴らしく、以前聞いた曲も別の曲のように聞こえました。Butajiさんとの共作であるトーチという曲が素晴らしく響いていました。
折坂さんがひと夏溶かして作り上げた”朝顔”も素晴らしかったです。 

 

3.8.1209 星野源×MARK RONSON@横浜アリーナ

MARK RONSONのストリングス隊を引っさげてのDJプレイも意味分からなかったのですが(トラック流してオケ生でやるってマジで何?)、星野源のバンドも素晴らしかったです。おそらくPop Virusツアーと同様浮雲さんがバンドマスターをされているような、安定して全部の音を美味しく食いつくせるような丁寧な盛り方をしてたのが最高でした。一生Pop Virusのアウトロにサックスソロぶっこんできたアレンジを褒め続けます。あと”桜の森”で入るギターリフがとても素晴らしいですね。
今回やった曲の中で特にレアだったのが”湯気”。メジャーアルバム時の楽曲です。マイナーな曲も滅茶苦茶美味しいので”海を掬う”や”ダンサー”、”Night Troop“とかも聴きたいですね。

 

 

 

以上こんな感じです。また書きますね。

 

 

Sakanaction 6.1ch Surround Arena Session “834.194”

キクウイキからサカナクションを追い始めて約8年。やっとサカナクションのライブに挑みました。

 

というのも、サカナクションのライブに行くのであればスタンディングでありたいし、6.1chなんてのが大阪城ホール幕張メッセであるけど時すでに遅しでSOLD OUTしていたし、よくライブをやるZeppは福岡一時閉店してたりしていたし、で妙にタイミングがあってなかったんですよね。

 

ともあれ初参戦です。6.1chライブで。しかも新作アルバムのツアー。

 

正直な話をすると、6年前に出したアルバムsakanactionは滅茶苦茶聴き込んだけど、(おすすめトラックはINORIです)そこから数年後に出した多分、風があまり響かなくてちょっと敬遠してた。

 

でも最近色々な音楽を聞くようになってサカナクションの音楽を聴き直したらまあ刺さる刺さる。全体的に丁寧な作り、過度に媚びすぎない構成、メロディーのキャッチーさ、”夜””海”と言ったようなバンドにない浮遊感のある不思議な雰囲気、生音と打ち込み系の融合。気持ち良い。踊れる。

 

気づけば「多分、風」「ユリイカ」「グッドバイ」は僕の中でキラーチューンとなっていました。

 

そんな中での6.1chライブ。

 

Sakanaction 6.1ch Surround Arena Session 834.194………..100点満点!

 

 

 

ライブセットについて

・座席

実は当日までスタンディングだって知らなかったです。

D-4の整理番号25番だったんだけど開演ギリギリに入場。

お得意のすり抜けていくスキルでブロック4列目くらいに。

ちなみにローチケで厳格に本人確認がなされていて、連番枠での重複応募でさえ弾かれます

めっちゃ厳しい。そういう意味でもかなり理想的なチケットの売り方だった。(チケトレもしっかりしてた)

 

場所としてはPA席の横のブロック。サカナクションのライブは面白くて、

アリーナのど真ん中にPAブロックがあるんですよね。普通中央からもうちょっと後方に位置します。

 

まあそんな感じでアリーナ中央の下手よりに位置しておりました。

 

・セット

サカナクション、ライブとしての完成度が高いという話は昔の昔から聞いていたので期待していたのですがこれは最高ですね。

 

手前からステージを覆うものとしてカーテンの役割もかねた前方可動スクリーン、

10曲程度ずっと張られたままで投影が行われた前方透過スクリーン、バンド、後方LEDスクリーンという構成。

 

さらにレーザーが客席に異常に近い。過去に宇多田ヒカル椎名林檎のライブを見たんですが、

比較にならないくらい近かったので多分日本一レーザーが近いライブだと思います。

 

更に壁面投影も充実していました。横壁面天井とかかな?

図形が投影されスタンドの人も飽きないようになっていると思います。

 

素晴らしいライブっていうのは本当に凄くて、最後列でも最高に気持ちよくなれるような、

俯瞰しても刺激的な演出が組まれていることが多い中、その一例として胸を張って言えるようなセットでした。

 

・前方可動スクリーン

注目ポイントその1.変形スクリーンとして可動スクリーンをフル活用してた。

もう図説したほうが早いので手書きで説明します。こうなってました。

(出先で更新しているのであとで追加しますね)

 

・二重スクリーン

注目ポイントその2。

前述の前方透過スクリーンに映像を投影しつつ、後方のLEDに映像を写すことにより、透過・バンド・LEDという三層構造で空間を演出していました。これだけだとお金があるライブでは全員がやりそうなんですが、サカナクションの凄い所は透過スクリーンに描く映像を選んでいるところにあると思います。

 

ユリイカの映像。こちらでは前面透過スクリーンにモノクロの東京の映像を流し、背面LEDスクリーンにモノクロの札幌の映像を流す。"わかり"ポイントですここ。

透過スクリーン、やはり透過するだけあって写りが普段のスクリーンよりあんまよくないんですけど、そこであえて白黒の映像に絞ることによってかなり見やすく整えられていると思います。

前面と背面双方のスクリーンがカラフルだと恐らくこのような立体対比構造を作り出すことは出来なかったでしょうし、これはTeam Sakanactionの演出の腕ですね。

というか前面スクリーン、客席後方から投影してたんだけどマジでどうやってたんだ

バケモンプロジェクターじゃん。

 

・音響

ほぼイキかけました

素晴らしい。サカナクションに感謝。

 

6.1chのようなということで、激しいバイノーラルのようなものを想像していたんですが違いました。というのも前方にしかステージがないから前方からメインで音がなるのは当たり前で、そういう視覚と聴覚の一致を壊すこと無く音作りが丁寧になされていた印象があります。

 

その定位感をぶっ壊すこと無く行われる空間演出、これが憎い…..ッ!

360度で音場を再現する設備があればイキリちらしてゴリゴリにPANを降った3D映画みたいな出来になると思いきや、音に包まれる包まれる。ノイジーな音に包まれるシューゲイザーパート(と勝手に呼んでいる)は最高に気持ちよかった。

“響き”の進化系です。いやこのバカでかいアリーナでこれを再現できるのは強い。

このライブでは友人が色々なところにいたので友人に話を聞いたのですが、どこでもそういう包まれる感じがあったというのだから素晴らしい。最高か?

アイマスのライブが同じ箱であるんだけど一気にマリンメッセの音のハードルが上がってしまった。厳しい。

 

ちなみに後輩はイヤープラグ貸出の話を知らなかったそうなのですが、サカナクションは聴力保護のために耳栓を貸出しているので皆さん活用しましょう。

普通に音大きくてビビりました。

僕は自前のやつがあったのでそれを使いました。リンク貼っておくね。

僕の場合は「こんな音なってるのに耳栓なんてしてられるか!」つって途中で引っこ抜いちゃったので意味ないです。馬鹿か。お前音を扱う専攻に身をおいているんだぞ。

 

 

・セトリ

スパァン!!!!!!!!(魂の還る音)

サカナクション在宅キッズのワイ、号泣。

過去のメジャー曲とアルバム曲を入り交えながら、

アルバムの解釈が垣間見える演出と見事なつなぎのセトリ、

パフォーマンスの良さ、歌詞、歌詞、歌詞、歌詞、歌詞…………………..

100000000!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

かなり構成力に満ちていたライブでした。

基本的にライブにおいてなにもない無音の間が一番の大敵で、客が冷めちゃうんでそこらへんのフロアコントロールをするべきなんですけど、その無音の間を逆手に取って活かし尽くすか転換の努力で無限に時間を縮めるかというものなのでしょうけど、

サカナクションでは打ち込み部分が生きる生きる。

そもそも自然、特に海をテーマとしたような曲が多い中、ホワイトノイズ的なやつとか環境音とかでうまくつないでいたし、暗転時に一気に現実に突き戻されて冷める”アレ”が一切訪れなかった。

最高ですね。これを俺は求めていた。一つの作品と言っても差し支えないくらいの完成されたライブでした。

アンコール後のMCでちょっと長めにダラダラと話すのも、ギャップがあってふふってなりました。やはり音楽のファンが多いという需要を意識したゴリゴリに音で攻めるライブを久々に見れて嬉しいです。

福岡が一日しか無くて一回しか見れなかったのが本当に残念。

 

 

 

 

ここまでで十分ライブレポですね。

でもまだまだ書く。新譜のアルバムのあの熱量を受け取ったこの熱を書き残しておきたい。

 

 

セトリを晒しておきましょう。

 

1.セプテンバー(1コーラスのみ)

-映像-

2.アルクアラウンド

3.夜の踊り子

4.陽炎

5.モス

6.Aoi

7.さよならはエモーション

8.ユリイカ

9.years

10.ナイロンの糸

11.蓮の花

12.忘れられないの

13.マッチとピーナッツ

14.ワンダーランド

15.INORI

16.moon

17.ミュージック

18.新宝島

19.アイデンティティ

20.多分、風。

-MC-

21.セプテンバー

 

-アンコール-

22.「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」

23.夜の東側

24.アイデンティティ(広告撮影用)

-MC-

25.グッドバイ

 

 

1.セプテンバー

この時点で音源としての公開は一部ラジオのみ。なので初見での謁見です。

始まった瞬間に前面幕に山口一郎を頭上から撮った図が映し出されライブスタート。

しっとりと弾き語りで弾き語り、先行配信されていた”ナイロンの糸”、

及びアルバム曲目からわかるような札幌/東京の対比があるのだなぁと期待しつつライブスタート。

なおこの後の映像では東京から札幌までを車で走るのを早回しで写した映像が流れ、834.194のロゴが出ました。

 

 

7.8.9.10.さよならはエモーションユリイカ→years→ナイロンの糸

完璧だった。サカナクション、自然のイメージが若干あるのですがSE等をつないでかなり上手くつないでいた。

前のVJが糸になって、波のように揺らいだかと思えば次のVJに繋がるの美しいですね。さすがライゾマティクス。

Yearsは昔からある曲だけども、ユリイカとさよならはエモーション、そしてグッドバイは

今回のアルバムのDisk2の鍵をにぎる重要な曲だと個人的には思っています。

“さよなら”を扱うさよならはエモーション。

過去と今を対比し時が震えると歌うユリイカ

 

札幌での生活を想像させる。”ナイロンの糸”。

 

ユリイカVJでは前面透過スクリーンに東京の景色が、

後方LEDに北海道の景色が流れ淡々と進んでいました。

“どくだみの葉を摘む母の姿”、等札幌での生活を彷彿とさせる歌詞がありながら、東京での生活を歌う歌詞。

山口一郎さんはこのアルバムにあるのは郷愁であるという風に言っていましたが、

正にこの曲も郷愁の曲であることが伺えると思います。

 

 

12.忘れられないの

それーーーーー!!!!!!

さよならはエモーションからのエモい流れ完全にぶった切って高まらせてくれました!!!

おかしいでしょ、サカナクションってダンスミュージックとかが基盤のロックバンドの癖してこんなシティポップみたいなノリで踊らせてくれるんですか???バケモン!!!!

 

カップルの皆さん、デートにはサカナクションのライブへ行くべきです。

もうカップルでサカナクションのライブ行って”忘れられないの”が流れた瞬間ゴールイン確定です、踊ってるうちに二人は幸せなキスをして終了!!!

 

15.16.17.INORI→moon→ミュージック

これ見た瞬間にビックリしたんですけど、まず幕の形から説明しないといけないですね。

面倒くさいので図説します。

(後ほど掲載します)

 

これ凄くないですか?なんか幕が流れたと思ったらサカナクションが宙に浮いてDJ始まった!!!INORI、マジで大好きなDANCE MUSICなので爆踊りしました、天才のMUSICだよ!!!こういうときの6.1chの音の使い方が凄くて、音に包まれるような感覚がすごいんですよ、そしてちゃんと盛り上げるところで全方位からバッチリ音圧を感じる仕様になっていました。

いやほぼイキかけましたね。これで耐えるなと言われる方が無理だわ。そのままDJパートに来て、DJプレイして終わるのかな~と思ったらミュージック来て顎外れかけましたわ。大好きなんですわミュージック。山口お前あのときも歌詞書けねえって言ってたな。

 

18.19.新宝島アイデンティティ

Twiterの動画参照。拙者サカナクションキッズ絶頂。

(新宝島の時誰もボックスステップ踏んでなくて悲しくなった)

 

20.多分、風。

最初のシンセのフレーズを長回しして繋いでくるとずっと思っていたのですが

いきなりサビのコーラス飛んできてから始まりましたびっくり。

いい曲です。

 

25.グッド・バイ

サカナクションマジ泣きおじさんになってしまった。

山口一郎さんが歌う前に言っていた話が全てで、

”お客さんは沢山いるんだけど、お客さん一人と僕らで一対一で語りかけられるような曲をずっと作っていきたい”

という話がまんまかっちりハマっている曲なんですよね。

どうだろう 僕には見ることの出来ない

ありふれた幸せいくつ有るだろう

これだけ凝って無くて編成も単純なのに脳みそパンチされるくらい力強い歌を書けるのであれば、一生ついていきたいなという気持ちになりました。

 

 

 

 

 

834.194について

アルバムの曲目を見た時は既存曲ばっかりやんけ!!!と思っていたのですが、

いざ通して聞いてみるとスッキリとしていてわかりやすいアルバムで良かったです。

 

というのも、このアルバムの出ない空白の6年間、サカナクションが作品作りの上で向き合っていたスタンスがこのアルバムに詰められているはずなので、どう考えてもコンセプトと外れるわけがないんですよね。

 

というのも、ライブ中にずっと6年間アルバムを出さなかった間に、

売れる路線として作為的に行くのか、

昔自分たちのためだけに楽曲を作っていたときのように有るべきか

という悩みがあったという話をされていて、その後にこのアルバムを聞いて僕は凄く納得したんですよね。サカナクションは変化の激しいバンドだと思っていたし、変化の激しいバンドって言うのは新規層も取り込みやすいけど離れていく人も多いようなビジネススタイルを取るわけで、売れるために曲を書く、というのが目的となるのはアーティストとしてどうなのかという葛藤はあって然るべきものだと思います。

 

魚図鑑やRemixアルバムも出していますが、本当の意味で自分の過去と今を内省するような、このバンドのルーツに近いものが味わえるアルバムとなっていると思います。

どんどん進化していくぞ!という流れが見えたキクウイdocumentaLy→sakanactionの流れを一旦切って、こうやって自身を見つめ直すようなアルバムが出ることで、ルーツとしての成分が濃厚な作品が沢山生まれた良いアルバムだな、と心から思います。

 

 

ただ、ここで過去を振り返り懐かしむのか、ともに歩むのか、”さよなら”するのか、明確な回答は出していません。

このアルバムでは“2つの面を見せた”だけにとどまっています。

今後のサカナクションのリリースに期待ですね。

 

 

俺は名古屋の暗闇ライブ、行くんですけどね!!!ガハハ!!!!wwwww

 

 

 

色々書いてたら5000字普通に超えてました。ここまで読んでくれた人ありがとう。

ランティス祭りの行きの飛行機で書いてるから数時間後のライブが怖いよ!!!

またねこ!

 

追記:ランティス祭り二日目は普通に良かったです。ウンカス祭りとか言ってごめん。

 

 

 

 

 

 

相対性理論「変数II」

平成最後の相対性理論、行ってきました。

 

場所は恵比寿ガーデンホール。18時会場、19時開演です。終演はだいたい20時45分くらい。2時間弱ですね。

 

 

遠征までの道のり

GWのど真ん中で飛行機もバスも高いな〜って顔をしていたらフォロワーかつ相対性理論の連番者であるみつえもん( @dst0m )がフェリー乗って東京まで行こうぜ!というのでそれに便乗する形で、学割ついて片道14000円くらいでした。普通に飛行機のほうが安いわボケ、となるのは後のお話。

そんな感じで北九州の端からフェリーに乗って徳島を通過しお台場近辺の東京港へ。

徳島を通るということで薄々感づいてはいたものの、非常に長い道のりになりました。だいたい36時間くらい船に幽閉されていたはず。さらには東京福岡間のフェリーはWifiが通っていないので(使おうと思っている皆さん注意してくださいね)、マジモンの虚無に襲われることとなりました。

 

お互い虚無になることはわかりきっていたので映画をタブレットに落として置いて大正解でした。見た映画の話も軽くしておきますかね。

 

アメイジング・スパイダーマン」シリーズ

当時「スパイダーマン:スパイダーバース」を見たせいでスパイダーマン熱が高まっており、見た記憶もないので鑑賞。普通に面白かったです。

後にMCUまとめ記事に書くと思うのですが、MCUは全体的にドンパチに予算が割かれ、ドラマが軽くなっている作品が若干見られる中、スパイダーマンの感情のブレや身内がヴィランになってしまうお決まりの展開によるヒヤヒヤ感など、らしい面白さの詰まった映画だと思います。

あとグウェン役のエマ・ストーンが良すぎる。彼女のラ・ラ・ランドでの活躍はお気に入りなのですがエマ・ストーンがもっと好きになった映画です。超チャーミング。

余談ですが、こちらは3・4とシリーズが続く予定ですが打ち切りになったようで。正直最後の展開を見てくれるとわかるのですが"あいつ"のいないアメイジングスパイダーマンなんてしんどくて見ていられないので打ち切りになって僕は命拾いしました。

 

キック・アス2

キック・アスは視聴済み。ヴァイオレンスな表現で話題を生んだこの作品ですが、意外と凡人が戦うチープな面白さと凡人らしいドラマが両立できていて面白く見れます。チープにせざるを得なかったというより意図的にチープにしている感じがありますね。

ヒット・ガールの素顔がめっちゃキュートなのに、ヒット・ガールになった瞬間えげつない表情するの大好き。

 

マイティ・ソー ダーク・ワールド

MCUラソンをしていた頃なのでしっかりMCUも見ています。正直この映画見た記憶がねえ。アメコミ映画、食傷気味なのもあったけどソーというキャラクターの掘り下げはさておき、展開が一直線な印象があります。アスガルド美術は凄いけどね......

 

映画の好き嫌いによって文字数の変動激しいなとか言うな

 

まあこんなに映画見てても虚無になるんですがねガハハ

 節約するためにフェリー乗ってる中、カップ麺に飽きが来た僕。

フェリー内ではカップヌードル130円というお手頃価格で販売されています。

 楽しいことを考えてごまかそうとする僕。

 この頃はテンション高いね。

結局"夏の大三角"はやりませんでした。

 

ライブについて

平成最後が相対性理論で良かったと思います。いやマジで。

ちなみに僕が好きな相対性理論シンクロニシティーンです、これテストに出るぞ。

セトリを載せておきます。

1.NEO-FUTURE
2.FLASHBACK
3.天地創造SOS
4.救心
MC
5.ケルベロス
6.たまたまニュータウン
MC
7.品川ナンバー
8.ふしぎデカルト
9.放課後ディストラクション
10.ウルトラソーダ
11.キッズ・ノーリターン
MC
12.気になるあの娘
13.ミス・パラレルワールド
MC
14.Ballet Mécanique with 砂原良徳
15.わたしは人類 with 砂原良徳
MC
16.おやすみ地球
17.元素紀行
MC

MCが一言しか無いというのも初めて知ったし、めがねこ( @srngs_meganeko )の言っていた"やくしまるえつこさんが水を飲んでいる間後光がさす感じ"がまんまそれで笑っちゃいました。ライブの空間として異質過ぎる。あとオールスタンディングでアルコールドリンクもある(恵比寿ガーデンホールだからかエビスビール缶でした)のに客が微動だにしない。宗教の礼拝チックな異様な空間での公演でした。

それはさておき、最初のステージセットは半透明のポリッドスクリーン(客から見てステージ手前にステージが透けて見えるように配置)・レーザー・照明って感じ。5千円でチケット売ってるライブにしてはかなり豪華で驚き。序盤数曲をポリッドスクリーンに投射し奥のバンドが透けて見える仕様で数曲(どこまでか覚えていない)、そしてポリッドスクリーンを切り落として、バンドの奥の壁に投影する形でした。

やくしまるえつこさんが不思議な棒を傾けていたり、パソコンのディスプレイに対して手をかざしたりしていて何やってるんだ????ってなってたんですけど、調べてみても独自の装置みたいです。

やくしまるはこれまでも、ライブやレコーディングでお馴染みのオリジナル9次元楽器dimtakt(ディムタクト)をはじめ、自身の生体データを用いての演奏や、オキュラスリフトを使った独自のVRシステムでの演奏指揮など、数々のオリジナル装置を駆使してきました。

今回新たに登場した「YXMR Ghost ”Objet”」(ヤクシマル・ゴースト・オブジェ) は、3Dカメラ画像処理によるユーザー・インターフェースを備えた空間操作の次世代音楽ツール「KAGURA」の基幹機能をサウンド、ビジュアル、光の3種の3Dコントローラとして導入し、チューンアップしたやくしまるオリジナル・システム。

本来KAGURAはそれ自体に音を仕込み、スタンド・アローンで使用する音楽ツールですが、やくしまるディレクションのもと、機能の拡張性を考慮して、基本仕様の中ではMIDIコントローラとしての機能のみを使用し、関連する様々な機能を、やくしまると開発チームとで開発・強化・実装していきました。

これにより「YXMR Ghost ”Objet”」では、ライブ演奏中に、やくしまるが空間に手をかざしジェスチャーで操作することで、リアルタイムで3D操作によるDJ、VJ、照明制御を行うことが可能になっています。空間操作で音を鳴らすことはもちろん、リアルタイムで生音をフィルタリングしてエフェクトをかけたり、また、「YXMR Ghost ”Objet”」の信号をDMXのトリガーにすることで、やくしまるがライブ中の照明制御も行うこともできます。

更に、機能がアサインされたやくしまるによるドローイングアイコンを空間操作で反応するアニメーション化してレイヤーし、やくしまるが操作している様子をリアルタイムでキャプチャー&エフェクトしその映像をスクリーンに投影することで、ライブでのVJも同時に行います。

「YXMR Ghost ”Objet”」は今後もバージョンアップを続けていきます。

この通り、なるほどこういう特製のやつなのね。

後述のインタビューでこういうことを言われていました。

そういうのも含めて異様な空気が潜んで居て面白いライブでした。

 

演奏としては全体的にまとまりはあったものの、やくしまるさん自身の出やすい音域と出にくい音域があるっぽくて、ボーカルの聞こえづらい曲が若干あったのが心残りですね。そりゃそう。バンド人生の間で何回ライブやるんだってくらい公演の少ない団体だし。

 

レポートはここまで。各々の曲についてピックアップして参りましょう。

 

品川ナンバー

いきなりぶっ飛んで品川ナンバーに。東京来て品川ナンバー聴いて高校生の頃思い出してノリノリになっちゃいました。周りは微動だにしてないんだけどね。

放課後ディストラクション

えっちゃ〜〜〜〜ん!!!はぁ...........................

ハイスコアガールアニメ見ましたが最高ですよね。僕は日高派です。(何の話だ)

何かしら歌詞のある歌って現実での思い出とかそういうのにリンクするよねってつくづく思いますが、この曲を聴いて日高の切ないラストあたりを思い出してきゅーってなりました。

ウルトラソーダ

名曲。ギターの音素晴らしいですよね。これほど残暑を感じる音もなかなか珍しい。

相対性理論のラブソング(こう呼んでよいのかわからないけども)、個人的な解釈で言えば基本的に「明日世界が終わったらどうする?」から始まる逃避行的なテーマが潜在的に存在していると思うのですが、そういうのがフルに生かされている楽曲のような気がします。恋や熱烈な思いを抱いた後の残心のような爽やかさ、思い出してもう戻ってこないと実感する切なさを描いたこの曲とレーザーにて描かれた空間、平成の内に包まれてよかったな。

気になるあの娘

ああああああああああああああああああああああああ!!!!!

それだ!!!!!!!!!!!

いややるとは思わなかった!!!

セトリ!!!!!!!斜に構えてそうだし!!!!!

個人的な感傷なのですが、夏の終わり及び秋の始まりと言えば体育祭で、そういうときの雰囲気を思い出します。そういうEmotionです。過ぎ去る夏休みを思い出すあの感じです。

意地悪あの娘はインターハイ熱中症

靡く髪に日差しがきらきら

ミス・パラレルワールド

嘘でしょ!?!?!??!?(ぱちんと手を叩く)

気になるあの娘、をやってしまったのでメジャー曲もう来ないやろヘラヘラ!wと言ってたら後頭部をぶん殴られた気分です。あいつこそがミス・パラレルワールドだ。

表情を一切変えずにパラレルパラレルパラレルと歌い続けるその神秘性及び不気味さと言ったらもう相対性理論にしか出せない。やくしまるえつこにしか歌えない。

あいつこそがミス・パラレルワールドだ。

あいつこそがミス・パラレルワールドだ!!!!!!

あいつこそがミス・パラレルワールドだ!

あいつは誰なんだ!!!!!!

本当にミス・パラレルワールドという曲が似合うほど絶妙な神秘性と不気味さだな。本当そういうところ好きだぞ。

わたしは人類

今回のMVP。最強最大のカードです。

正直TOWN AGEからあまり聴いていないのですが(チケットを取った後新曲が出すぎていてビビった)、"わたしは人類"の今回の公演を見せられたらいくら初見でも相対性理論が好きになる人が現れるだろう、と思うほどに今回のお気に入りです。

楽曲について

MVPというからには詳しくご説明しましょう。「わたしは人類」という曲は相対性理論が微生物の塩基配列をもとに楽曲を作り、その曲をまたDNA変換して微生物に組み込んだという芸術祭のテーマ曲となった楽曲です。

 

上のインタビュー、面白いのでおすすめです。

音楽もデータの羅列でしか無いというスタンス

インタビューから抜粋しましょう。

作品自体は自分と切り離されているものと思っていて、それは読み解かれた時点で作品が現れるという感覚です。読み取り手がないことには、作品があってもそれはただの情報の羅列でしかないもので、逆に言うと、どういう状況でどんな人が、あるいはどんなものが、その情報をどのように読み取るのかっていうことが、作品にとってはほぼ全て。だからこそ、全方位に開いていた方がおもしろい。 

こんなことや 

人類滅亡後の音楽」とわかりやすく言っていますが、この文明のうえにいない生命体であれば読み解き方は絶対的に違うわけで、そこに興味があったんです。こういうコードや配列があるとなったときに、それにどういう音が割り当てられるのか、あるいは色として認識するのか、形として、文字として、はたまた新しい何かとして。そんな風に読み解かれるごとに機能が出現していく、誕生していくと思うと、とても楽しいです。 

こんなことまで。

ただ、さっきも少し触れましたが、塩基配列は変異を起こすこともままあるのです。その結果もちろん遺伝情報にも変化が表れます。わたしは人類』の曲のなかで、微生物「わたしは人類」さんは「進化を止めて/止めないで」と歌っています。変異は進化を促しますが、それは種が変わっていくことでもある。わたしは人類」さんは自身が進化することにより、楽曲情報をもった塩基配列が失われ、「この歌を歌えなくなるかもしれない」と、進化の狭間で揺れているのかもしれません。

超面白いですよね。この話。

やくしまつえつこさん自身は、アーティストが確固とした何かを表現するとは思っていなくて、我々一人一人の解釈でどうにでもなるという考えがすでにある中で、DNAに音楽を組み込んだ。そのなかで突然変異するという可能性も含めての「わたしは人類」という細胞の存在。ここまでの事象も含めてこの楽曲を聞くと非常に楽しいと思います。

 

ライブで聴いてみて

もういっちょインタビューを。

人類が滅んだあと、微生物に埋め込まれた音楽の配列をポストヒューマンが解読したとき、どのような結果を生むかは彼らの解釈しだいです。この音楽がどのように鳴るかは読みとり手に任せられている。その意味で『わたしは人類』は究極の齟齬ですよね。

先程述べた話のようなことがこちらにも書かれていますね。

それに、今回のプロジェクトで新たに遺伝子を組み込んだ微生物自体に『わたしは人類』と名づけたのですが、その『わたしは人類』さんのことを思うとエモーショナルにうったえてあげなきゃという気にもなります。これが自分のための曲だったらこういった心がまえにはならないです。

意外とおちゃめですね。

自分が作詞作曲するさいに名前を変えるのもおなじ理由で、女性が作詞作曲をして自分で歌うと、それだけでお話ができてしまうので、それを無効化するために名称を変えているし、それとおなじ意味でいままでギターを持たなかったんです。

ティカ・α」さんのお話ですね。

 

そんなことはさておき。ライブバージョンのことについて言及しましょう。

上のインタビューにはこうあります。

もちろん。音楽が変異するのも『わたしは人類』という作品の一部なので、変異のひとつとしてライブバージョンが存在するのです。

(中略)

『わたしは人類』という微生物のDNAには、トランスポゾンという転移することによって突然変異をひき起す配列が組み込まれていて、曲の元になっているのもその配列なんです。そしてその塩基配列をフレーズ化したものが、楽曲のなかにあらわれます。

(中略)

 例えば“わたしは人類”には長めのインターバルがあるんですが、そこでそのフレーズがあらわれます。シンセのフレーズですね。

今回のバージョンがライブバージョンと近かったのかどうか、よく覚えていないのですが現状映像が上がっている分と比較すると、アルスエレクトロニカ授賞式の映像が演出的には似ていた気がします。


 

長い長い道のりを経て生まれた曲ですが、この曲の披露に立ち会えて光栄だなというのがざっくりとした所感です。

長い長いフレーズの中に、遺伝子が変異し、受け継がれていくそのおぞましさと、変化することに対する"取り返しのつかない"ことへの切なさ、人類であることが数万年後には何もなかったように終わっている呆気なさエトセトラエトセトラ......

彼女が描きたかったのは変化と消滅なのかも知れません。人類が滅べばきっと別の次元での文明が生まれるでしょうし、そこからまた人類がやってきたような文明が別ベクトルで発生する。そんな調子の。

彼女にとって不本意かも知れませんが、この曲が遺伝子組換えされて変容する可能性のある微生物に記録されている、ということがこの曲の面白さを深めているように思えます。

止めて 止めて 進化を止めて

止めて 止めて 止めないで

―「わたしは人類」歌詞

 散々インタビューを引用してきたのに、これくらいの拙い言葉でしか表せないことが僕が人類であることの証明みたいになってしまって悔しくもなりますが、今後ライブで"わたしは人類"を聞くのであれば是非「わたしは人類」くんのことを考えて見てほしいです。(是非インタビューを見た後に楽曲を聴いてEmotionを感じて欲しい)

当日の演出、DNAの螺旋を表したような柱が何本に分裂したり、太くなったり細くなったりとDNAが受け継がれていく・変化していくというちっぽけで壮大な世界を彩るような一つのインスタレーションとも相まって最高に良い気分になれました。

 

最後に

相対性理論、今までは楽曲のキャッチーさとかでしか見ていなかったのですが、ライブでインスタレーションのような「私は人類」を見て、アーティストとしての一面を深く見れたような気がして満足です。引用しまくったから長いな、ここまで読んでくれたフォロワー、ありがとう。

P.S.僕です。もう何の抵抗もなく和服で移動するようになったわ。

 

 

おまけ:元素紀行

散々Emotionalな演出を行った末にざっくりとした照明/VJなしで元素紀行ササッとやって帰っていくの最高じゃない?????愛してるぜ。またライブしてくれ、見に行くから。

 
おまけ:ディスコ元年 

終わった後秋葉原mograというクラブに出向いて踊っていきました。DJ WILDPARTY、BUDDHAHOUSE、Jam_Boy、最高だった。 

 

 

ココベース/花澤香菜

久々にブログ更新しますめっとです。

 

今回紹介するのは花澤香菜さんの3月発売のアルバム「ココベース」。

説明するよりニュースサイトのリンクを見てもらったほうが早いので貼っておきます。

ちなみに仙台にこのアルバムツアーに行きました。その件も含めてブログを綴っていこうと思います。

おわかりいただけただろうか。

楽曲提供アーティストは、花澤香菜が影響を受けたという山内総一郎フジファブリック)、槇原敬之橋本絵莉子チャットモンチー)、浜野謙太(在日ファンク)、オカモトショウ&オカモトコウキ(OKAMOTO’S)、大貫妙子岡村靖幸水野良樹いきものがかり)、関取花真島昌利ザ・クロマニヨンズ/ましまろ)、ハルナ、ENA☆。※アルバム楽曲収録順

 とんでもないメンツが集まってます。

ココベースが凄い点はここだけじゃないんですよ。

プロデューサーが佐橋佳幸さんなんですよ。どんな方かわからない方はWikiでも見ておいてください。

正直、僕が参加アーティストが〜とかプロデューサーが〜とか語った時点でそんな点には誰しもが注目しているし意味がないと思うので僕としての感想を語っていきますね。

 

楽曲としての強度

聞いていただければわかるのですが、楽曲としての強度が殆どのトラックにおいて高いです。"マイ・ソング"はイントロのギターの時点でフジファブリック山内さんが楽曲提供しているその意味を見出していますし、槇原さん提供の"大丈夫"はほぼマッキーの曲。チャットモンチー橋本さんの提供する"おとな人間"はチャットモンチー特有の寂しい感じやなんとも言えない女性らしい強さが滲み出ています。

後付のように補足をしますが、今回のツアーパンフレットにおいてプロヂューサーの佐橋さんは「職業作曲家とは違う、アーティストとしての味が出るような楽曲の味を出していきたい」といったことを仰られていて、その狙いが見事に最初の一音目から滲み出ているアルバムになっていると思います。パン(在日ファンク浜野謙太提供)やChange!(OKAMOTO'Sのメンバー提供)ではOKAMOTO'Sがバンドメンバーとして加わったようで。そういう意味でも、花澤香菜という声優のアルバムと言うよりも、提供アーティストの集合したコンピレーション・アルバムのような楽しさも見せてくれる一品です。

面白いのは曲ごとに全然違う音がなってるのに繋がりが感じられるようなアルバムの曲順・マスタリングですね。若干のブレもありながら平均の音をぶち抜くように作られている気がします。花澤香菜さんの声が中心にあるからかも知れませんが。

 

花澤香菜という歌手の表現力

僕は提供アーティスト目当てでアルバムを購入したのですが、花澤さん自身の表現力が凄く説得力の有るもので驚きました。マイ・ソングではしっかり芯のある意志のある人の声を、大丈夫では人をそっと支え背中を押す立場のような優しい歌声を、おとな人間では寂しさに駆られながら静かに歩みだす女性の歌声を、パンでは打って変わって歌詞の内容を全く気にしないような(語弊があるかも知れませんが)リズム重視の踊るような歌声を......と言ったように、非常に歌声で表現する人としてのポテンシャルを高く感じました。(もしかしたら花澤さん希望の参加アーティストだったということでそういう点に関する意欲が高かったのかも知れませんね)

 

お気に入りの曲

名盤から曲を選ぶというのも無粋ですがアルバムの中から数曲選んでご紹介しましょう。

マイ・ソング

フジファブリックって爽やかさが突き抜けるような楽曲とちょっと後ろを振り返りながら自分の歩んだ道を確かめるような曲があると思うのですが、コレは前者です。アルバムの最初に相応しい爽やかな曲になっています。オタクなので"甘い甘い言葉を頂戴"を花澤香菜の声で言われるとドキッとします。

大丈夫

とりあえず聞いてくれ。

ただの槇原敬之

ただの槇原敬之だけではなく、花澤さんの軽やかな歌い方も併せて200%フルパワーの槇原敬之楽曲くらいまでになっているのがこの曲です。オタクっぽく歌詞引用をするのですが

心に響く声だけを

信じて歩き出せば

全てを白く隠してた

霧が少しずつ晴れて

大好きな街が広がっていくよ

という歌詞がサビのラストにあるの、天才じゃないですか?天才だと思います。

花澤さんの歌うメインのメロディーも良いのですが、サビになるに連れてどんどん転調していくギターリフも非常に気持ち良いので必聴です。

おとな人間

チャットモンチー。非常に良い。

恥ずかしいことが恥ずかしいのよ

こんなに複雑な感情を簡単な言葉で表現するところがチャットモンチー〜〜〜!!!ってなりました、一生ついていきます。

 

余談なのですが"染まるよ"というチャットモンチーの楽曲を佐橋さんのギターと花澤さんのボーカルだけのアコースティック編成でカバーされて僕は発狂しました。

染まるよの歌詞にある

大人だから一度くらい 煙草を吸ってみたくなって

月明かりに照らされたら 悪い事しているみたいだ

というのを花澤さんの通る声でちょっと切なげに言われると非常に良いですね、僕の性癖です。(いやらしい意味ではなくて)

MCで散々話されていたのですが、花澤香菜さん自身が30代に入り、自身が世の中でどういう風に......という社会に生きる人らしい葛藤抱えているらしいというのを話した後に聞くと尚更橋本さんの作詞作曲が光るように感じられますね。いや〜〜〜良い!!

パン

イントロのホーンから感じる浜野謙太〜〜〜〜!!!!!!!

あ〜〜〜〜〜!!!!!!!!(聞いてください)

 

ライブに行った感想

仙台という福岡から遠く離れた地へライブ遠征へ行った僕なのですが、正直言って

「マジで行ってよかった」

と思うくらいには素晴らしく清々しい思いでいます。今年行ったライブの中で特に良かったのはsuperorganismやWake Up Girls!(詳しく説明しろ!というコメントがあればブログをまた書きます)なのですが、それを抜くかも知れないというレベルで気持ちの良いライブでした。守銭奴なのに3000円もするパンフレットを買うレベルで良かったです。

良かった点で言いますと

・音源とほぼ変わらない花澤香菜さんのボーカルパフォーマンス

・佐橋さん監修のバンドサウンド

ユーフォニアムやフリューゲルホーンの出てくる豪華な編成

・原曲から更にアップデートしたバンドサウンド(2回目の言及)

なのですが、それ以外にも「ココベース」外の名曲も聞けた点も有ると思います。

そのなかでも大好きなのが「恋する惑星」「Brand New Days!」「25 Hours a Day」あたりですかね。北川勝利さんの提供曲およびROUND TABLEの楽曲は好きなのですが、その中でもカッチリしたリズムキープと美メロは花澤香菜さんの歌声に非常にマッチしていると思います。や、脳が溶ける。ずっと聞いていたい。

あとは恋愛サーキュレーションの間奏の「ぱ〜ぱらっぱぱ〜っぱっ」というフレーズをフリューゲルホーンで再現してたのが狂気じみてるなと思いました。息続く?大丈夫?

 

そういえば一つライブのMC中のエピソードをひとつ。

ココベースの中に「おしえて」という曲があるのですが、それに対するアンサーとして「私をどんな気持ちで育ててくれたのか、どう育ててくれたのかというのをよく考える」という気持ちを込めての「おしえて」という曲のオーダーだったという話を聞いて腑に落ちました。

親への感謝の歌というのはどの時代でも無限に湧いてくるものではありますが、気づけばおとなになってしまっている我々に対して、親になった時どうだった?おしえて?と聞くというのは非常に核をつく視点なのかなと。目の付け所がシャープですよね、その話を聞いてこの曲が大好きになりました。

 

 

そんな調子で花澤香菜のアルバムを聞きライブに行ったのですが、もう一度行きたくなる、そんな素晴らしいライブでした。皆さん是非オススメです。後ろに花澤香菜限界オタクがいたのが面白かったです。

 

P.S.花澤香菜の声でドラムの元ネタはほとんど「Brand New Days!」です。是非聞いてね。

P.S.2.恋する惑星/花澤香菜 をアラームにすると押し付けがましくない素晴らしい目覚めが保証されると思います。是非。

 

 

 

 

 

 

正しさという呪い

僕は正しく生きていきたい。そう思っている。

 

多分皆がそう思っているし、自分が正しさから外れた生き方をしたいと思っていても、「自分が思った正しさから外れたい」という意味で潜在的に一方向を向いているのだから、同じようなものだ。

とにかく、僕は僕の信念から逃げることは出来ないのである。

 

こんなことを思ったのは、ついさっき、バイト先で店長と言い合いをしたからだ。

別に大したことはない。深読みに深読みを重ねられたので勘弁してくださいと言い続けただけだ。でも向こうは僕をクビにする権利を持っているし、僕の狙い目である時給も握っている。帰れと言われていやまかない食わせてくださいと言うのも馬鹿馬鹿しいし、言われるがままに帰ってしまった。労働者は雇用主に対して圧倒的に無力だ。

 

正直悔しい。僕はあまり仕事のできるほうではないし、一部の人間からしか好かれないような"ニッチな"人格の持ち主だ。生きるとしたら"アングラ"と呼ばれる方向でしか生きることが出来ないだろうし、一般的な出世は恐らく無理だ。人間向き不向きがある。人とのコミュニケーションで世の中をのし上がるのは無理だ。面白さとか、自分の信じる正しさだとか、そういったものを武器にするしかないし、自分の"オタク"なところを生活で生かしていくしかない。

 

そんなことを考えていた。結局は僕はクビになるし、多分バイト先では非難されると思う。多分僕の"負け"だ。このゲームで勝つ方法は、自分の正しさを曲げるしかなかった。

 

だが僕は曲げられなかった。これはある種の呪いだと思うし、ほぼ確実に治らないと思う。僕は絶対に自分を変えられない。ずっと思っていたことを久々に目の前に突き詰められてしまった。

自分を変えるのは他人だし、その他人もこの歳になってしまうとある程度固定化されてくる。やはり自分に必要なのは変革ではなく、その性質の理解であり使いこなし方なんだろうな、と思いながらぼおっとしている。

 

社会にほおりこまれる前の、社会力も経済力もない僕だからこそ、強くなりたいとハッキリと思った。正しさを曲げずに相手に勝つ、正しさを曲げずに、そのまま人を守れるようになりたい。

偉くなるモチベーションって、そういうことなのかもしれない。

Dolby Cinemaで「アクアマン」に行った話

*映画「アクアマン」のネタバレが若干あるので嫌な方はお避けください

 

こんにちは、めっとです。

口頭試問を一夜漬けで対策したんですけどあれは人間のすることではなかったです。反省してます。

 

さてさて本題です。先日(1/29)、博多JOYのDolby Cinemaにおいてアクアマンの試写会があるとのことでしたので、行って参りました。

見て頂ければわかるようにアクアマンはDCヒーローの一人。というわけでDCヒーローとして今後のクロスオーバー展開にも期待できるような一本になってます。

そんなわけで、DCやMCUが好きな先輩を誘おうと思った......のですが研究室の用事で欠席。というわけで映画が好きな数学科のよこえもん先生に来ていただきました。

(当日にいきなり呼んですみません)

よこえもん先生は1年の微積のときにお世話になっていた先生で、雑談や真面目な話を交えた分かりやすい講義ですごい印象に残っていたのですごく覚えていました。今年で九大を出られるそうなので僕の下の学生さんはもう講義を受けることは出来ないのですが、巡り巡って僕のフォロワーが先生の講義を受けられる機会があるようでしたらおすすめします。

 

閑話休題

 

さてさて。Dolby Cinemaは前回ボヘミアン・ラプソディのエントリで説明したので割愛します。要するにハイコントラストのすっげぇ良い音響の最近出たばっかりの映画の上映フォーマットです。

なんと今回は3D。(恥ずかしながら僕は発券するまで3Dだと知らなかった)

こんな感じのメガネが配られます。(後々先生に聞いた話なのですが、3Dの初期によく使われたシャッター方式のメガネはもうほぼないのですね。)メガネonメガネになってしまい、ちょっと重めなので上映中気になるかな〜と思ったのですが思ったより快適でした。それにしても見づらいことには変わりないのでコンタクトをオススメします。

 

本作はなんと121分、約2時間という長いボリュームでしたが、かなりテンポ良く進む上に戦闘シーンが多めで、2時間を感じさせないような出来栄えの映画でした。さらに、最近の3Dゲームのデモシーンのような長尺1カメ長回しの戦闘シーンや、3Dを意識した引きの大群の映像等、映像的な出来栄えで言えば100点をつけるのに相応しいような映画だったと思います。

特に3D効果が今回は印象的でした。昔の3Dって儀礼的にただつけただけ!みたいなものが多かった気がするのですが(間違っていたらすみません)、今回の3Dは、長時間見ていても疲れない程度に効果が薄く、かつ画をダイナミックにする大胆さを兼ね揃えた丁度よい塩梅でした。本当にすごい。2Dだとここまで画を絶賛してはいなかったと思います。

しかしながら、日本のプロモーションの雑さ(PVに出てくる海中大群戦争はラストしかやらない)や、主人公のドラマの掘り下げの浅さが若干玉に瑕な気がします。主人公が簡単に成長しすぎていて、ご都合主義的な面が浮き出すぎていて僕はストーリーに没入できませんでした。まあ王子だからいいんですが。

 

そんな感じで、アクアマン......80点!くらいです!!!たぶん!

近くにIMAXDolby Cinemaがある方々は是非行ってほしいタイトルではあります。ストーリー含めた映画という表現においては物足りませんでしたが、映像音響体験という意味でのアクアマンは紛れもなく100点でした。是非とも3Dで。

 

 

2つのUKバンドにまつわる映画の話

ボヘミアン・ラプソディOasis:Supersonicのネタバレがあるかもです。視聴後の閲覧をば。

※和訳はめっちゃ適当です。あとUKロックにわかなので容赦して下さい。

 

こんにちは。めっとです。

最近は昼夜逆転や生活の崩壊が激しく、人間としての形を保っている感じがしません。でもあまり後悔はしていないというのが本音です。今まで、どこかで誤魔化しつつうまくやっていたのが表面化して、うまく行かなくなっただけのことなので当然のことなのでしょう。問題はここからどうやって復活するかですね。

 

僕のメンタルの話はさておき。先日はOasis:Supersonicを、昨日はボヘミアン・ラプソディを見てまいりました。そんなUKバンドウィークな今週。OasisQueenもにわかな僕がつらつらと見ていた所感を書き連ねていこうと思います。

 

Oasis; Supersonic

ガチOasisにわかですが楽曲はたまに聞きます。

Wonderwallのイカした弾き語りや美しいストリングスのアレンジ、Don’t Look Back In Angerのなんとも言えないエモい感じとかは厨房の頃から耳馴染みでした。

この映画は、ボヘミアン・ラプソディとは一風違ったドキュメンタリー形式で進んでいきます。ほぼ全てが過去の映像。そこを切り貼りしつつ、本人たちのインタビューを載せつつ描いたドキュメンタリー映画です。

ドキュメンタリー映画なんてファンが見るもんじゃん!!と言われるかもしれませんが、ちょっと曲は聞いたことあるな〜って人たちも置いてけぼりにしない構成になっています。なんといってもバンドのメインは曲です。ドキュメンタリーはCDのリリースやライブを主軸にして語られているので、一般の人も退屈せずに見られると思います。だからこそ、曲の生まれた背景を知れるという意味でこの映画はかなり良いものだと思います。

また、このバンドの歴史を知るとともに、Don’t Look Back In Angerへの思い入れがどんどん強くなって行くなという実感が自分にあります。

 

この曲の歌詞に

So Sally can wait, she knows its too late
As were walking on by

サリーは待っててくれる、

俺たちが一緒に歩いていくには手遅れだと知っていても

Her soul slides away, but don't look back in anger
I heard you say

彼女の魂は去っていく、

でも「昔の話に怒るなよ」って言ったのが聞こえたんだ

という一節があります。この曲が生まれたのは2ndアルバムの頃ですが、彼らはその頃から無意識のうちにこれから起こるバンドの破滅を知っていたのかもしれません。最初は小さな好き勝手やっていたバンドマンだった彼らが一瞬にしてスターになり、そして活動をやめるまでの流れはまさに青春と言って差し支えないと思います。どんなに頭の良い人が再現しようとしてもできない、そんな勢いがロックンロールなのだと実感させられます。

 

ボヘミアン・ラプソディについて

今回は奮発してDolby Cinemaで見ました。(博多駅TJOYに日本初上陸したアレです)。Dolby Cinemaの効果はエゲツナカッたです。そもそもViVidな発色の良さが段違いだったり、スクリーンがブラックアウトした時の暗転具合が凄かったり(安いプロジェクターだと黒が白んだりするんですよ)、ライブシーンの歓声の実在感が凄かったりしました。福岡県の方は是非行きましょう。きっとロングラン上映されるでしょう。(されてくれ。)

 

サントラもいいぞ。聞いてくれ。

 

Dolbyのレポはこんくらいで。IMAXの体験回数も対したことないので上手いよう比較して言おうと思っても無理でした。TJOYというと電車の振動が伝わってきたりと余り良い印象がなかったのですが、Dolbyのスクリーンは信頼できそうです。ちゃんとデカかったし。

 

さて本題に。Oasisの映画と違ってこちらはQueenの活動を元にした創作映画です。(語弊があるかもしれませんが、史実と若干の改変があるのです)この映画の主人公はQueen、というよりそのフロントマンであるフレディー・マーキュリーに絞られます。Queenパフォーマーとして活躍する半面、自身のセクシャルマイノリティ的な性質に悩み、自身の本当に大事なものを見失っていく中、様々な葛藤を乗り越えQueenのフロントマンとして再び立つ、というのが主なストーリーラインです。

この映画、皆さんが言われるようにラスト十数分のライブ・エイドにおける再現ライブシーンの出来が素晴らしく、その映像美が多くの人を惹き付け大ヒットに至っています。

 

このライブシーンの締めがえげつなさすぎたせいで5000兆点!!!と言われがちなのですが、個人的にはフレディー・マーキュリーのドラマに対する掘り下げが若干物足りなく感じました。(尺として仕方ない部分はもちろんあるのですが)

フレディがQueen以外の他者へ自身の肯定を求めすぎて、所謂灯台下暗し的な孤独感にさらされ、酒やドラッグ、不埒な関係へとズブズブと堕ちていく描写は十分なされていて、そこまでは感情移入しやすいストーリーラインだったのですが、そこからQueenへと戻るまでの描写が急激すぎて若干の違和感を覚えました。急になぜQueenという家族の重要さに気づいたのか。そこへのロジック詰めが甘いように感じました。

後にフォロワーにフルで聞けと言われたSomebody To Loveにもこうあります。

 

Oh Lord
Ooh somebody - ooh somebody
Can anybody find me somebody to love ?

ああ神様、誰か、誰か、誰か僕が愛する人はいないの?

 

フレディの孤独は、彼がセクシャルマイノリティだからというわけでもなく、彼のように他者を愛することに不安を覚え、かつ自分の肯定を他者に求めてしまう人全員に当てはまる孤独だと思います。それをQueenは家族だから、の一言で埋めてしまっては……というところだけ気になりました。フレディという人間のドラマをもっと掘り下げて聞きたい。

 

グチグチとドラマ性について文句を言ってしまいましたが、そんな細かいことはQueenの曲がぶっ飛ばしてくれるので大丈夫です。ライブシーンで観客が合唱するの、理由はわからないんですけど凄くグッと来るんですよね。Queenの歌はQueenのもの、ではなく、その歌を聞く僕らのものなのだと思います。

 

サントラも良いです。是非に。

というわけで今日はこのへんで。