めっとらいふぽてと

覚書で雑記でアフィブログ。

Sakanaction 6.1ch Surround Arena Session “834.194”

キクウイキからサカナクションを追い始めて約8年。やっとサカナクションのライブに挑みました。

 

というのも、サカナクションのライブに行くのであればスタンディングでありたいし、6.1chなんてのが大阪城ホール幕張メッセであるけど時すでに遅しでSOLD OUTしていたし、よくライブをやるZeppは福岡一時閉店してたりしていたし、で妙にタイミングがあってなかったんですよね。

 

ともあれ初参戦です。6.1chライブで。しかも新作アルバムのツアー。

 

正直な話をすると、6年前に出したアルバムsakanactionは滅茶苦茶聴き込んだけど、(おすすめトラックはINORIです)そこから数年後に出した多分、風があまり響かなくてちょっと敬遠してた。

 

でも最近色々な音楽を聞くようになってサカナクションの音楽を聴き直したらまあ刺さる刺さる。全体的に丁寧な作り、過度に媚びすぎない構成、メロディーのキャッチーさ、”夜””海”と言ったようなバンドにない浮遊感のある不思議な雰囲気、生音と打ち込み系の融合。気持ち良い。踊れる。

 

気づけば「多分、風」「ユリイカ」「グッドバイ」は僕の中でキラーチューンとなっていました。

 

そんな中での6.1chライブ。

 

Sakanaction 6.1ch Surround Arena Session 834.194………..100点満点!

 

 

 

ライブセットについて

・座席

実は当日までスタンディングだって知らなかったです。

D-4の整理番号25番だったんだけど開演ギリギリに入場。

お得意のすり抜けていくスキルでブロック4列目くらいに。

ちなみにローチケで厳格に本人確認がなされていて、連番枠での重複応募でさえ弾かれます

めっちゃ厳しい。そういう意味でもかなり理想的なチケットの売り方だった。(チケトレもしっかりしてた)

 

場所としてはPA席の横のブロック。サカナクションのライブは面白くて、

アリーナのど真ん中にPAブロックがあるんですよね。普通中央からもうちょっと後方に位置します。

 

まあそんな感じでアリーナ中央の下手よりに位置しておりました。

 

・セット

サカナクション、ライブとしての完成度が高いという話は昔の昔から聞いていたので期待していたのですがこれは最高ですね。

 

手前からステージを覆うものとしてカーテンの役割もかねた前方可動スクリーン、

10曲程度ずっと張られたままで投影が行われた前方透過スクリーン、バンド、後方LEDスクリーンという構成。

 

さらにレーザーが客席に異常に近い。過去に宇多田ヒカル椎名林檎のライブを見たんですが、

比較にならないくらい近かったので多分日本一レーザーが近いライブだと思います。

 

更に壁面投影も充実していました。横壁面天井とかかな?

図形が投影されスタンドの人も飽きないようになっていると思います。

 

素晴らしいライブっていうのは本当に凄くて、最後列でも最高に気持ちよくなれるような、

俯瞰しても刺激的な演出が組まれていることが多い中、その一例として胸を張って言えるようなセットでした。

 

・前方可動スクリーン

注目ポイントその1.変形スクリーンとして可動スクリーンをフル活用してた。

もう図説したほうが早いので手書きで説明します。こうなってました。

(出先で更新しているのであとで追加しますね)

 

・二重スクリーン

注目ポイントその2。

前述の前方透過スクリーンに映像を投影しつつ、後方のLEDに映像を写すことにより、透過・バンド・LEDという三層構造で空間を演出していました。これだけだとお金があるライブでは全員がやりそうなんですが、サカナクションの凄い所は透過スクリーンに描く映像を選んでいるところにあると思います。

 

ユリイカの映像。こちらでは前面透過スクリーンにモノクロの東京の映像を流し、背面LEDスクリーンにモノクロの札幌の映像を流す。"わかり"ポイントですここ。

透過スクリーン、やはり透過するだけあって写りが普段のスクリーンよりあんまよくないんですけど、そこであえて白黒の映像に絞ることによってかなり見やすく整えられていると思います。

前面と背面双方のスクリーンがカラフルだと恐らくこのような立体対比構造を作り出すことは出来なかったでしょうし、これはTeam Sakanactionの演出の腕ですね。

というか前面スクリーン、客席後方から投影してたんだけどマジでどうやってたんだ

バケモンプロジェクターじゃん。

 

・音響

ほぼイキかけました

素晴らしい。サカナクションに感謝。

 

6.1chのようなということで、激しいバイノーラルのようなものを想像していたんですが違いました。というのも前方にしかステージがないから前方からメインで音がなるのは当たり前で、そういう視覚と聴覚の一致を壊すこと無く音作りが丁寧になされていた印象があります。

 

その定位感をぶっ壊すこと無く行われる空間演出、これが憎い…..ッ!

360度で音場を再現する設備があればイキリちらしてゴリゴリにPANを降った3D映画みたいな出来になると思いきや、音に包まれる包まれる。ノイジーな音に包まれるシューゲイザーパート(と勝手に呼んでいる)は最高に気持ちよかった。

“響き”の進化系です。いやこのバカでかいアリーナでこれを再現できるのは強い。

このライブでは友人が色々なところにいたので友人に話を聞いたのですが、どこでもそういう包まれる感じがあったというのだから素晴らしい。最高か?

アイマスのライブが同じ箱であるんだけど一気にマリンメッセの音のハードルが上がってしまった。厳しい。

 

ちなみに後輩はイヤープラグ貸出の話を知らなかったそうなのですが、サカナクションは聴力保護のために耳栓を貸出しているので皆さん活用しましょう。

普通に音大きくてビビりました。

僕は自前のやつがあったのでそれを使いました。リンク貼っておくね。

僕の場合は「こんな音なってるのに耳栓なんてしてられるか!」つって途中で引っこ抜いちゃったので意味ないです。馬鹿か。お前音を扱う専攻に身をおいているんだぞ。

 

 

・セトリ

スパァン!!!!!!!!(魂の還る音)

サカナクション在宅キッズのワイ、号泣。

過去のメジャー曲とアルバム曲を入り交えながら、

アルバムの解釈が垣間見える演出と見事なつなぎのセトリ、

パフォーマンスの良さ、歌詞、歌詞、歌詞、歌詞、歌詞…………………..

100000000!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

かなり構成力に満ちていたライブでした。

基本的にライブにおいてなにもない無音の間が一番の大敵で、客が冷めちゃうんでそこらへんのフロアコントロールをするべきなんですけど、その無音の間を逆手に取って活かし尽くすか転換の努力で無限に時間を縮めるかというものなのでしょうけど、

サカナクションでは打ち込み部分が生きる生きる。

そもそも自然、特に海をテーマとしたような曲が多い中、ホワイトノイズ的なやつとか環境音とかでうまくつないでいたし、暗転時に一気に現実に突き戻されて冷める”アレ”が一切訪れなかった。

最高ですね。これを俺は求めていた。一つの作品と言っても差し支えないくらいの完成されたライブでした。

アンコール後のMCでちょっと長めにダラダラと話すのも、ギャップがあってふふってなりました。やはり音楽のファンが多いという需要を意識したゴリゴリに音で攻めるライブを久々に見れて嬉しいです。

福岡が一日しか無くて一回しか見れなかったのが本当に残念。

 

 

 

 

ここまでで十分ライブレポですね。

でもまだまだ書く。新譜のアルバムのあの熱量を受け取ったこの熱を書き残しておきたい。

 

 

セトリを晒しておきましょう。

 

1.セプテンバー(1コーラスのみ)

-映像-

2.アルクアラウンド

3.夜の踊り子

4.陽炎

5.モス

6.Aoi

7.さよならはエモーション

8.ユリイカ

9.years

10.ナイロンの糸

11.蓮の花

12.忘れられないの

13.マッチとピーナッツ

14.ワンダーランド

15.INORI

16.moon

17.ミュージック

18.新宝島

19.アイデンティティ

20.多分、風。

-MC-

21.セプテンバー

 

-アンコール-

22.「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」

23.夜の東側

24.アイデンティティ(広告撮影用)

-MC-

25.グッドバイ

 

 

1.セプテンバー

この時点で音源としての公開は一部ラジオのみ。なので初見での謁見です。

始まった瞬間に前面幕に山口一郎を頭上から撮った図が映し出されライブスタート。

しっとりと弾き語りで弾き語り、先行配信されていた”ナイロンの糸”、

及びアルバム曲目からわかるような札幌/東京の対比があるのだなぁと期待しつつライブスタート。

なおこの後の映像では東京から札幌までを車で走るのを早回しで写した映像が流れ、834.194のロゴが出ました。

 

 

7.8.9.10.さよならはエモーションユリイカ→years→ナイロンの糸

完璧だった。サカナクション、自然のイメージが若干あるのですがSE等をつないでかなり上手くつないでいた。

前のVJが糸になって、波のように揺らいだかと思えば次のVJに繋がるの美しいですね。さすがライゾマティクス。

Yearsは昔からある曲だけども、ユリイカとさよならはエモーション、そしてグッドバイは

今回のアルバムのDisk2の鍵をにぎる重要な曲だと個人的には思っています。

“さよなら”を扱うさよならはエモーション。

過去と今を対比し時が震えると歌うユリイカ

 

札幌での生活を想像させる。”ナイロンの糸”。

 

ユリイカVJでは前面透過スクリーンに東京の景色が、

後方LEDに北海道の景色が流れ淡々と進んでいました。

“どくだみの葉を摘む母の姿”、等札幌での生活を彷彿とさせる歌詞がありながら、東京での生活を歌う歌詞。

山口一郎さんはこのアルバムにあるのは郷愁であるという風に言っていましたが、

正にこの曲も郷愁の曲であることが伺えると思います。

 

 

12.忘れられないの

それーーーーー!!!!!!

さよならはエモーションからのエモい流れ完全にぶった切って高まらせてくれました!!!

おかしいでしょ、サカナクションってダンスミュージックとかが基盤のロックバンドの癖してこんなシティポップみたいなノリで踊らせてくれるんですか???バケモン!!!!

 

カップルの皆さん、デートにはサカナクションのライブへ行くべきです。

もうカップルでサカナクションのライブ行って”忘れられないの”が流れた瞬間ゴールイン確定です、踊ってるうちに二人は幸せなキスをして終了!!!

 

15.16.17.INORI→moon→ミュージック

これ見た瞬間にビックリしたんですけど、まず幕の形から説明しないといけないですね。

面倒くさいので図説します。

(後ほど掲載します)

 

これ凄くないですか?なんか幕が流れたと思ったらサカナクションが宙に浮いてDJ始まった!!!INORI、マジで大好きなDANCE MUSICなので爆踊りしました、天才のMUSICだよ!!!こういうときの6.1chの音の使い方が凄くて、音に包まれるような感覚がすごいんですよ、そしてちゃんと盛り上げるところで全方位からバッチリ音圧を感じる仕様になっていました。

いやほぼイキかけましたね。これで耐えるなと言われる方が無理だわ。そのままDJパートに来て、DJプレイして終わるのかな~と思ったらミュージック来て顎外れかけましたわ。大好きなんですわミュージック。山口お前あのときも歌詞書けねえって言ってたな。

 

18.19.新宝島アイデンティティ

Twiterの動画参照。拙者サカナクションキッズ絶頂。

(新宝島の時誰もボックスステップ踏んでなくて悲しくなった)

 

20.多分、風。

最初のシンセのフレーズを長回しして繋いでくるとずっと思っていたのですが

いきなりサビのコーラス飛んできてから始まりましたびっくり。

いい曲です。

 

25.グッド・バイ

サカナクションマジ泣きおじさんになってしまった。

山口一郎さんが歌う前に言っていた話が全てで、

”お客さんは沢山いるんだけど、お客さん一人と僕らで一対一で語りかけられるような曲をずっと作っていきたい”

という話がまんまかっちりハマっている曲なんですよね。

どうだろう 僕には見ることの出来ない

ありふれた幸せいくつ有るだろう

これだけ凝って無くて編成も単純なのに脳みそパンチされるくらい力強い歌を書けるのであれば、一生ついていきたいなという気持ちになりました。

 

 

 

 

 

834.194について

アルバムの曲目を見た時は既存曲ばっかりやんけ!!!と思っていたのですが、

いざ通して聞いてみるとスッキリとしていてわかりやすいアルバムで良かったです。

 

というのも、このアルバムの出ない空白の6年間、サカナクションが作品作りの上で向き合っていたスタンスがこのアルバムに詰められているはずなので、どう考えてもコンセプトと外れるわけがないんですよね。

 

というのも、ライブ中にずっと6年間アルバムを出さなかった間に、

売れる路線として作為的に行くのか、

昔自分たちのためだけに楽曲を作っていたときのように有るべきか

という悩みがあったという話をされていて、その後にこのアルバムを聞いて僕は凄く納得したんですよね。サカナクションは変化の激しいバンドだと思っていたし、変化の激しいバンドって言うのは新規層も取り込みやすいけど離れていく人も多いようなビジネススタイルを取るわけで、売れるために曲を書く、というのが目的となるのはアーティストとしてどうなのかという葛藤はあって然るべきものだと思います。

 

魚図鑑やRemixアルバムも出していますが、本当の意味で自分の過去と今を内省するような、このバンドのルーツに近いものが味わえるアルバムとなっていると思います。

どんどん進化していくぞ!という流れが見えたキクウイdocumentaLy→sakanactionの流れを一旦切って、こうやって自身を見つめ直すようなアルバムが出ることで、ルーツとしての成分が濃厚な作品が沢山生まれた良いアルバムだな、と心から思います。

 

 

ただ、ここで過去を振り返り懐かしむのか、ともに歩むのか、”さよなら”するのか、明確な回答は出していません。

このアルバムでは“2つの面を見せた”だけにとどまっています。

今後のサカナクションのリリースに期待ですね。

 

 

俺は名古屋の暗闇ライブ、行くんですけどね!!!ガハハ!!!!wwwww

 

 

 

色々書いてたら5000字普通に超えてました。ここまで読んでくれた人ありがとう。

ランティス祭りの行きの飛行機で書いてるから数時間後のライブが怖いよ!!!

またねこ!

 

追記:ランティス祭り二日目は普通に良かったです。ウンカス祭りとか言ってごめん。