めっとらいふぽてと

覚書で雑記でアフィブログ。

相対性理論「変数II」

平成最後の相対性理論、行ってきました。

 

場所は恵比寿ガーデンホール。18時会場、19時開演です。終演はだいたい20時45分くらい。2時間弱ですね。

 

 

遠征までの道のり

GWのど真ん中で飛行機もバスも高いな〜って顔をしていたらフォロワーかつ相対性理論の連番者であるみつえもん( @dst0m )がフェリー乗って東京まで行こうぜ!というのでそれに便乗する形で、学割ついて片道14000円くらいでした。普通に飛行機のほうが安いわボケ、となるのは後のお話。

そんな感じで北九州の端からフェリーに乗って徳島を通過しお台場近辺の東京港へ。

徳島を通るということで薄々感づいてはいたものの、非常に長い道のりになりました。だいたい36時間くらい船に幽閉されていたはず。さらには東京福岡間のフェリーはWifiが通っていないので(使おうと思っている皆さん注意してくださいね)、マジモンの虚無に襲われることとなりました。

 

お互い虚無になることはわかりきっていたので映画をタブレットに落として置いて大正解でした。見た映画の話も軽くしておきますかね。

 

アメイジング・スパイダーマン」シリーズ

当時「スパイダーマン:スパイダーバース」を見たせいでスパイダーマン熱が高まっており、見た記憶もないので鑑賞。普通に面白かったです。

後にMCUまとめ記事に書くと思うのですが、MCUは全体的にドンパチに予算が割かれ、ドラマが軽くなっている作品が若干見られる中、スパイダーマンの感情のブレや身内がヴィランになってしまうお決まりの展開によるヒヤヒヤ感など、らしい面白さの詰まった映画だと思います。

あとグウェン役のエマ・ストーンが良すぎる。彼女のラ・ラ・ランドでの活躍はお気に入りなのですがエマ・ストーンがもっと好きになった映画です。超チャーミング。

余談ですが、こちらは3・4とシリーズが続く予定ですが打ち切りになったようで。正直最後の展開を見てくれるとわかるのですが"あいつ"のいないアメイジングスパイダーマンなんてしんどくて見ていられないので打ち切りになって僕は命拾いしました。

 

キック・アス2

キック・アスは視聴済み。ヴァイオレンスな表現で話題を生んだこの作品ですが、意外と凡人が戦うチープな面白さと凡人らしいドラマが両立できていて面白く見れます。チープにせざるを得なかったというより意図的にチープにしている感じがありますね。

ヒット・ガールの素顔がめっちゃキュートなのに、ヒット・ガールになった瞬間えげつない表情するの大好き。

 

マイティ・ソー ダーク・ワールド

MCUラソンをしていた頃なのでしっかりMCUも見ています。正直この映画見た記憶がねえ。アメコミ映画、食傷気味なのもあったけどソーというキャラクターの掘り下げはさておき、展開が一直線な印象があります。アスガルド美術は凄いけどね......

 

映画の好き嫌いによって文字数の変動激しいなとか言うな

 

まあこんなに映画見てても虚無になるんですがねガハハ

 節約するためにフェリー乗ってる中、カップ麺に飽きが来た僕。

フェリー内ではカップヌードル130円というお手頃価格で販売されています。

 楽しいことを考えてごまかそうとする僕。

 この頃はテンション高いね。

結局"夏の大三角"はやりませんでした。

 

ライブについて

平成最後が相対性理論で良かったと思います。いやマジで。

ちなみに僕が好きな相対性理論シンクロニシティーンです、これテストに出るぞ。

セトリを載せておきます。

1.NEO-FUTURE
2.FLASHBACK
3.天地創造SOS
4.救心
MC
5.ケルベロス
6.たまたまニュータウン
MC
7.品川ナンバー
8.ふしぎデカルト
9.放課後ディストラクション
10.ウルトラソーダ
11.キッズ・ノーリターン
MC
12.気になるあの娘
13.ミス・パラレルワールド
MC
14.Ballet Mécanique with 砂原良徳
15.わたしは人類 with 砂原良徳
MC
16.おやすみ地球
17.元素紀行
MC

MCが一言しか無いというのも初めて知ったし、めがねこ( @srngs_meganeko )の言っていた"やくしまるえつこさんが水を飲んでいる間後光がさす感じ"がまんまそれで笑っちゃいました。ライブの空間として異質過ぎる。あとオールスタンディングでアルコールドリンクもある(恵比寿ガーデンホールだからかエビスビール缶でした)のに客が微動だにしない。宗教の礼拝チックな異様な空間での公演でした。

それはさておき、最初のステージセットは半透明のポリッドスクリーン(客から見てステージ手前にステージが透けて見えるように配置)・レーザー・照明って感じ。5千円でチケット売ってるライブにしてはかなり豪華で驚き。序盤数曲をポリッドスクリーンに投射し奥のバンドが透けて見える仕様で数曲(どこまでか覚えていない)、そしてポリッドスクリーンを切り落として、バンドの奥の壁に投影する形でした。

やくしまるえつこさんが不思議な棒を傾けていたり、パソコンのディスプレイに対して手をかざしたりしていて何やってるんだ????ってなってたんですけど、調べてみても独自の装置みたいです。

やくしまるはこれまでも、ライブやレコーディングでお馴染みのオリジナル9次元楽器dimtakt(ディムタクト)をはじめ、自身の生体データを用いての演奏や、オキュラスリフトを使った独自のVRシステムでの演奏指揮など、数々のオリジナル装置を駆使してきました。

今回新たに登場した「YXMR Ghost ”Objet”」(ヤクシマル・ゴースト・オブジェ) は、3Dカメラ画像処理によるユーザー・インターフェースを備えた空間操作の次世代音楽ツール「KAGURA」の基幹機能をサウンド、ビジュアル、光の3種の3Dコントローラとして導入し、チューンアップしたやくしまるオリジナル・システム。

本来KAGURAはそれ自体に音を仕込み、スタンド・アローンで使用する音楽ツールですが、やくしまるディレクションのもと、機能の拡張性を考慮して、基本仕様の中ではMIDIコントローラとしての機能のみを使用し、関連する様々な機能を、やくしまると開発チームとで開発・強化・実装していきました。

これにより「YXMR Ghost ”Objet”」では、ライブ演奏中に、やくしまるが空間に手をかざしジェスチャーで操作することで、リアルタイムで3D操作によるDJ、VJ、照明制御を行うことが可能になっています。空間操作で音を鳴らすことはもちろん、リアルタイムで生音をフィルタリングしてエフェクトをかけたり、また、「YXMR Ghost ”Objet”」の信号をDMXのトリガーにすることで、やくしまるがライブ中の照明制御も行うこともできます。

更に、機能がアサインされたやくしまるによるドローイングアイコンを空間操作で反応するアニメーション化してレイヤーし、やくしまるが操作している様子をリアルタイムでキャプチャー&エフェクトしその映像をスクリーンに投影することで、ライブでのVJも同時に行います。

「YXMR Ghost ”Objet”」は今後もバージョンアップを続けていきます。

この通り、なるほどこういう特製のやつなのね。

後述のインタビューでこういうことを言われていました。

そういうのも含めて異様な空気が潜んで居て面白いライブでした。

 

演奏としては全体的にまとまりはあったものの、やくしまるさん自身の出やすい音域と出にくい音域があるっぽくて、ボーカルの聞こえづらい曲が若干あったのが心残りですね。そりゃそう。バンド人生の間で何回ライブやるんだってくらい公演の少ない団体だし。

 

レポートはここまで。各々の曲についてピックアップして参りましょう。

 

品川ナンバー

いきなりぶっ飛んで品川ナンバーに。東京来て品川ナンバー聴いて高校生の頃思い出してノリノリになっちゃいました。周りは微動だにしてないんだけどね。

放課後ディストラクション

えっちゃ〜〜〜〜ん!!!はぁ...........................

ハイスコアガールアニメ見ましたが最高ですよね。僕は日高派です。(何の話だ)

何かしら歌詞のある歌って現実での思い出とかそういうのにリンクするよねってつくづく思いますが、この曲を聴いて日高の切ないラストあたりを思い出してきゅーってなりました。

ウルトラソーダ

名曲。ギターの音素晴らしいですよね。これほど残暑を感じる音もなかなか珍しい。

相対性理論のラブソング(こう呼んでよいのかわからないけども)、個人的な解釈で言えば基本的に「明日世界が終わったらどうする?」から始まる逃避行的なテーマが潜在的に存在していると思うのですが、そういうのがフルに生かされている楽曲のような気がします。恋や熱烈な思いを抱いた後の残心のような爽やかさ、思い出してもう戻ってこないと実感する切なさを描いたこの曲とレーザーにて描かれた空間、平成の内に包まれてよかったな。

気になるあの娘

ああああああああああああああああああああああああ!!!!!

それだ!!!!!!!!!!!

いややるとは思わなかった!!!

セトリ!!!!!!!斜に構えてそうだし!!!!!

個人的な感傷なのですが、夏の終わり及び秋の始まりと言えば体育祭で、そういうときの雰囲気を思い出します。そういうEmotionです。過ぎ去る夏休みを思い出すあの感じです。

意地悪あの娘はインターハイ熱中症

靡く髪に日差しがきらきら

ミス・パラレルワールド

嘘でしょ!?!?!??!?(ぱちんと手を叩く)

気になるあの娘、をやってしまったのでメジャー曲もう来ないやろヘラヘラ!wと言ってたら後頭部をぶん殴られた気分です。あいつこそがミス・パラレルワールドだ。

表情を一切変えずにパラレルパラレルパラレルと歌い続けるその神秘性及び不気味さと言ったらもう相対性理論にしか出せない。やくしまるえつこにしか歌えない。

あいつこそがミス・パラレルワールドだ。

あいつこそがミス・パラレルワールドだ!!!!!!

あいつこそがミス・パラレルワールドだ!

あいつは誰なんだ!!!!!!

本当にミス・パラレルワールドという曲が似合うほど絶妙な神秘性と不気味さだな。本当そういうところ好きだぞ。

わたしは人類

今回のMVP。最強最大のカードです。

正直TOWN AGEからあまり聴いていないのですが(チケットを取った後新曲が出すぎていてビビった)、"わたしは人類"の今回の公演を見せられたらいくら初見でも相対性理論が好きになる人が現れるだろう、と思うほどに今回のお気に入りです。

楽曲について

MVPというからには詳しくご説明しましょう。「わたしは人類」という曲は相対性理論が微生物の塩基配列をもとに楽曲を作り、その曲をまたDNA変換して微生物に組み込んだという芸術祭のテーマ曲となった楽曲です。

 

上のインタビュー、面白いのでおすすめです。

音楽もデータの羅列でしか無いというスタンス

インタビューから抜粋しましょう。

作品自体は自分と切り離されているものと思っていて、それは読み解かれた時点で作品が現れるという感覚です。読み取り手がないことには、作品があってもそれはただの情報の羅列でしかないもので、逆に言うと、どういう状況でどんな人が、あるいはどんなものが、その情報をどのように読み取るのかっていうことが、作品にとってはほぼ全て。だからこそ、全方位に開いていた方がおもしろい。 

こんなことや 

人類滅亡後の音楽」とわかりやすく言っていますが、この文明のうえにいない生命体であれば読み解き方は絶対的に違うわけで、そこに興味があったんです。こういうコードや配列があるとなったときに、それにどういう音が割り当てられるのか、あるいは色として認識するのか、形として、文字として、はたまた新しい何かとして。そんな風に読み解かれるごとに機能が出現していく、誕生していくと思うと、とても楽しいです。 

こんなことまで。

ただ、さっきも少し触れましたが、塩基配列は変異を起こすこともままあるのです。その結果もちろん遺伝情報にも変化が表れます。わたしは人類』の曲のなかで、微生物「わたしは人類」さんは「進化を止めて/止めないで」と歌っています。変異は進化を促しますが、それは種が変わっていくことでもある。わたしは人類」さんは自身が進化することにより、楽曲情報をもった塩基配列が失われ、「この歌を歌えなくなるかもしれない」と、進化の狭間で揺れているのかもしれません。

超面白いですよね。この話。

やくしまつえつこさん自身は、アーティストが確固とした何かを表現するとは思っていなくて、我々一人一人の解釈でどうにでもなるという考えがすでにある中で、DNAに音楽を組み込んだ。そのなかで突然変異するという可能性も含めての「わたしは人類」という細胞の存在。ここまでの事象も含めてこの楽曲を聞くと非常に楽しいと思います。

 

ライブで聴いてみて

もういっちょインタビューを。

人類が滅んだあと、微生物に埋め込まれた音楽の配列をポストヒューマンが解読したとき、どのような結果を生むかは彼らの解釈しだいです。この音楽がどのように鳴るかは読みとり手に任せられている。その意味で『わたしは人類』は究極の齟齬ですよね。

先程述べた話のようなことがこちらにも書かれていますね。

それに、今回のプロジェクトで新たに遺伝子を組み込んだ微生物自体に『わたしは人類』と名づけたのですが、その『わたしは人類』さんのことを思うとエモーショナルにうったえてあげなきゃという気にもなります。これが自分のための曲だったらこういった心がまえにはならないです。

意外とおちゃめですね。

自分が作詞作曲するさいに名前を変えるのもおなじ理由で、女性が作詞作曲をして自分で歌うと、それだけでお話ができてしまうので、それを無効化するために名称を変えているし、それとおなじ意味でいままでギターを持たなかったんです。

ティカ・α」さんのお話ですね。

 

そんなことはさておき。ライブバージョンのことについて言及しましょう。

上のインタビューにはこうあります。

もちろん。音楽が変異するのも『わたしは人類』という作品の一部なので、変異のひとつとしてライブバージョンが存在するのです。

(中略)

『わたしは人類』という微生物のDNAには、トランスポゾンという転移することによって突然変異をひき起す配列が組み込まれていて、曲の元になっているのもその配列なんです。そしてその塩基配列をフレーズ化したものが、楽曲のなかにあらわれます。

(中略)

 例えば“わたしは人類”には長めのインターバルがあるんですが、そこでそのフレーズがあらわれます。シンセのフレーズですね。

今回のバージョンがライブバージョンと近かったのかどうか、よく覚えていないのですが現状映像が上がっている分と比較すると、アルスエレクトロニカ授賞式の映像が演出的には似ていた気がします。


 

長い長い道のりを経て生まれた曲ですが、この曲の披露に立ち会えて光栄だなというのがざっくりとした所感です。

長い長いフレーズの中に、遺伝子が変異し、受け継がれていくそのおぞましさと、変化することに対する"取り返しのつかない"ことへの切なさ、人類であることが数万年後には何もなかったように終わっている呆気なさエトセトラエトセトラ......

彼女が描きたかったのは変化と消滅なのかも知れません。人類が滅べばきっと別の次元での文明が生まれるでしょうし、そこからまた人類がやってきたような文明が別ベクトルで発生する。そんな調子の。

彼女にとって不本意かも知れませんが、この曲が遺伝子組換えされて変容する可能性のある微生物に記録されている、ということがこの曲の面白さを深めているように思えます。

止めて 止めて 進化を止めて

止めて 止めて 止めないで

―「わたしは人類」歌詞

 散々インタビューを引用してきたのに、これくらいの拙い言葉でしか表せないことが僕が人類であることの証明みたいになってしまって悔しくもなりますが、今後ライブで"わたしは人類"を聞くのであれば是非「わたしは人類」くんのことを考えて見てほしいです。(是非インタビューを見た後に楽曲を聴いてEmotionを感じて欲しい)

当日の演出、DNAの螺旋を表したような柱が何本に分裂したり、太くなったり細くなったりとDNAが受け継がれていく・変化していくというちっぽけで壮大な世界を彩るような一つのインスタレーションとも相まって最高に良い気分になれました。

 

最後に

相対性理論、今までは楽曲のキャッチーさとかでしか見ていなかったのですが、ライブでインスタレーションのような「私は人類」を見て、アーティストとしての一面を深く見れたような気がして満足です。引用しまくったから長いな、ここまで読んでくれたフォロワー、ありがとう。

P.S.僕です。もう何の抵抗もなく和服で移動するようになったわ。

 

 

おまけ:元素紀行

散々Emotionalな演出を行った末にざっくりとした照明/VJなしで元素紀行ササッとやって帰っていくの最高じゃない?????愛してるぜ。またライブしてくれ、見に行くから。

 
おまけ:ディスコ元年 

終わった後秋葉原mograというクラブに出向いて踊っていきました。DJ WILDPARTY、BUDDHAHOUSE、Jam_Boy、最高だった。