めっとらいふぽてと

覚書で雑記でアフィブログ。

オタクなアニメ映画評「リズと青い鳥」

勢いが良いのでもういっちょ書きましょう。

リズと青い鳥、見ました。

結果から言うとサイコー。

これはあまりの人間味の滲み出ている感じにのぞみとみぞれのことしか

考えられなくなった限界オタクの僕。(気持ち悪いとか言わないで)

最高だった。語り尽くしてぇ。というわけで書きます。

  

 

 

って感じで行こうかと。ちゃんとした(280文字以上の文章で)作品についての文章を書くのは初めてです。

無知ゆえの失礼もあるかも。よろぴく。

 

1.そもそもリズと青い鳥とは

リズと青い鳥とは、現在公開中(丁度先週の金曜日に公開開始)の

京都アニメーション制作の長編アニメーション映画です。

監督は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(めっちゃ良いので見て欲しい)

(追記。この作品だと監督じゃなくて絵コンテだったねごめん)

たまこラブストーリー」(Apple Musicにこいのうたのフル尺あるので聞いて欲しい)

山田尚子

脚本は「映画けいおん!」(妹のお守りで見た記憶がある。天使にふれたよ!が好き)

「劇場版ガルパン(最終章じゃない方)」(めっちゃ良いオールスターバトルなので見て)

吉田玲子

キャラデザは「聲の形」(まだ見てない。不勉強ですまんの。)の西屋大志

音楽は「ピンポン」「デビルマン Crybaby」の牛尾憲輔

(マジで音楽格好良いので皆さん見ましょう)

というマジ豪華無双メンツによりお届けされてます。

原作は「響け!ユーフォニアム」の中の一編。

ラノベなんだけど凄いらしいね。(例によって不勉強)

ま〜〜じで申し訳ないんですが(映画見た後にちょびっと後悔した)

原作小説も"響け!"TVシリーズも一切見ていません。

TVシリーズ組が卒業して、一つ下の代の人たちの話らしいですね。

(見よう見ようと思ってるけどPrimeにもNetflixにもないので食指が伸びない。

ごめんね。いつか見るよ。)

 

 

ここで、お前はなんで前のTVシリーズ見てないのに映画見て感想語ってんのや!

というツッコミが新幹線のような速さで来そうですね。

ちょっと待ってください。ちゃんと理由があるんです。

(配信されてなかったからってのもあるけど)

まず、響け!とリズと青い鳥(以下リズで)ってのは

そもそもキャラデザから刷新されてて、(一緒に見た知人からするとマジで違うらしい)

山田監督も言ってたようにスピンオフとしての位置づけなんだけど、

一つの作品として完成させたいというスタンスで作られた作品なんですよ。

(公式サイトをご覧の通りタイトルにも響け!の冠がない)

っつーわけで独立した物語として楽しめるわけです。

というわけで「響け!見てねぇ!読んでねぇ!」って方、大丈夫です。

安心して見に行ってください。急いで下さい。

急げ。上映が小規模にならないうちに。

 

閑話休題。では物語について。僕が語らずともあらすじがあるのでまんま引用します。

あの子は青い鳥。広い空を自由に飛びまわることがあの子にとっての幸せ。だけど、私はひとり置いていかれるのが怖くて、あの子を鳥籠に閉じ込め、何も気づいていないふりをした。 北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美。高校三年生、二人の最後のコンクール。その自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロがあった。「なんだかこの曲、わたしたちみたい」 屈託もなくそう言ってソロを嬉しそうに吹く希美と、希美と過ごす日々に幸せを感じつつも終わりが近づくことを恐れるみぞれ。「親友」のはずの二人。しかし、オーボエとフルートのソロは上手くかみ合わず、距離を感じさせるものだった。

リズと青い鳥という曲のソロパートを掛け持つ二人の女の子の話です。

二人の関係はある種の百合とも言えるかもしれないっすね。

(僕は百合というジャンルに収めてしまうのがなんだか勿体なく感じましたが)

はい!さくひんしょうかいおわり!

 

2.感想(ネタバレ無し)

で、感想を書きたいんですよ僕は。

でも、どんな映画かな〜〜って検索してサーチして見たい人もいるじゃん?

というわけでネタバレ無しで作品の良さを語ります。

この作品、一言で言えば"文学性の高い作品"だと僕は感じました。

なんでそう感じたかをつらつらと書いていきますね。

たまこラブストーリーを見たときも同じ感想を抱いたんだけど、

最近の京都アニメーションには

"展開としてのプロットの密度よりも、心理描写の濃さを優先する"傾向が

めっっっちゃあるんじゃないかな〜〜と思ってます。

(この心理描写の濃さを"文学性"と表現させて頂いた)

多分今上映されてるコナンの映画とかに比べても圧倒的に何も起こっていない。

(語弊をい恐れずに言えば)

でもその分、学校の空気感、主人公二人の眼の芝居・脚の芝居・表情・動きとかの細かい気持ちや空気感とかが凄く丁寧に描かれていて、なんというか、アニメキャラだけど生きていて、その子の今後を想像したくなるような、そんな心地にさせられるリアリティが90分の中に詰まってました。

(多分僕は監督や脚本の方々のカット割りの意図を50%も感じ取れて言語化出来ていない気がする、それくらいに一つの出来事に対する描写が濃い。覚えきれない。)

 

多分この作品は万人受けしない。売れないかもしれない。

でもアニメという表現でここまで高く舞えるぜ。っていう職人の矜持を見せられるような作品です。見て。頼む。これくらいなら奢る。(全財産1000円だけど)

 

以下、文章にまとめるのが面倒で箇条書きにしためっちゃ細かいポイントリストです。

 

作画:凄い良い。入場特典に大きめのカードが貰えるので是非大きめのカバンを持っていって折り曲げないようにしてください。

 

音楽:牛尾様(勝手に敬称をつけさせていただいている)の劇伴は、「劇伴が聞こえないくらいに(MEが入っている瞬間、ない瞬間の区別がつかないくらい)」非常に自然な入りと演出とナントカと.......といった感じで、正にこの映画のための音楽を作られてるな、と感じました。(もう一回みたい)

 

声:めちゃくちゃ芝居がうまくてビビります。

僕はもう声の演技に圧倒されて事前に声優の名前は知っていたのですが聞こえる声が高校生の少女の声にしか聞こえなかったです。

みぞれちゃんってあまり喋らない子(これくらいの情報はネタバレにならないよね?)なんだけど、息遣いとかでの表現が凄いです。凄い。ヤバい。

あと、リズと青い鳥(こちらは役名)を一人二役でやってる方の演技は若干絵から離れてる気がしたんですが、これはやっぱジブリリスペクトですかね。それなら絵本の中の世界の方々の声を全員ジブリナイズして欲しい。

 

カット割り:分類が適当になってます。悪しからず。

作画といえば人物の作画に焦点が当たりがちですが、こちらの映画、風景や場所の描写もエグく空気感を出しています。僕と一緒に見た知人は「学校の、夏のにおいがした」という幻覚症状を訴えるほどでした。部活やってたやつなら絶対わかる。見て。

(追記:カット割とは厳密には違うという指摘を受けましたけど、カメラワークとか画角とかそういう画の表現という意味で使わせてもらってますん)

 

 

というわけでだいぶ語り尽くしたネタバレ回避部分です。

これより下はネタバレじゃんじゃんやるので見てない人は見ないでくださいな。

ほんとに見ないで!!ネタバレされてもまぁ良い映画なんだけどさ!!!

一応余白埋めに予告編貼っときます。


『リズと青い鳥』本予告 60秒ver.

みぞれかわいい。みぞ先輩って俺も呼びたい。

 

 

 

3.だいたいどんな映画だったか(ここからネタバレ)

まぁ2.の項で話した通りなんですが、正直出来事のプロットとしてはかなり削られてて、二人の距離感がどうなっているかという点がめちゃくちゃ濃密に描かれていました。

個人的にコンクール本番やプールの様子、各々の自宅等を一切移さずに学校の中だけで全てが完結し濃密に展開されている点を激推ししてます。ここまで濃密に書いてくれてしまったので僕の青春ソウルがグツグツに疼いて滅茶苦茶に胸を抑えながら号泣するという恥ずかしい結末に陥ったのは内緒です。

二人の距離感、というのもあるあるで、待ち受ける別離に対してどのようなスタンスを取っていくか、ということに対する変化という非常にわかりやすい構造で、二人の関係の欠片を自分と旧友に当てはめられるんじゃないかなぁ、と思いながら僕はやっぱり高校時代を思い出して泣いてました。

というより序盤のリズと青い鳥の絵本が出てきた瞬間に二人の別離を予感して泣いてました。

無限に物語が生み出され作品が創出される現代に置いて、プロットや展開の型などはある程度使い古されてるものですし、展開に対して特にこれといってここがヤベェ!って言うところが薄めだったと思います。(強いて言うなら高校3年生を題材にされた時点で胸のもぞもぞした部分を串刺しにされて泣くのは自明だった。)

 

結論:演出が凄く、心理描写の濃密さに特化していた青春映画

 

4.感想

いやなんか客観的に見ようとしてクールな視点になって書いてみた(そんなことはない)

3.なんですけどこの映画マジでサイコーなんですよ!って話で個人的に感じたことを書いていきます。

この映画、共依存系百合(百合に詳しくないからどう言われているかわからないけど)という分類にいる二人の物語らしいんですが、僕の感想としてはこれは百合ではないです。

いや、語弊があるか!百合という包括範囲を大きく超えた人間関係の話だなぁ!と思いました!

(追記。めっちゃ語弊生んでますね。百合だとは思うけどそれはミクロな話でマクロに捉えると人間なのでは?という視点です)

多分百合だけど百合じゃない、それよりも大きな何かを映し出している気がします。

何故かと言うと、彼女たちは2人の関係を映し出される映画の中にいる、といっても様々な葛藤を抱えてるわけです。(進路の話とかね)

それが間接的に2人の関係に絡み合っていくから作中の中で描写されたというのはある程度自明なんですが、やはりエンディングに近づくにつれその葛藤についてある程度の妥協であれ決着であれ区切りをつけて対応し、前へ進んでいくわけです。

ここの複雑怪奇で連動しあっていて難しくて完全に理解をし難い状況!これがキャラクター各々に描かれたリアリティの正体なんじゃあないのかッ!?って感じに僕は感じたのでやっぱこれは単なる百合ではない、って言っておきます。

正直一番胸に来たのはラストです。

お互い具体的には何も起こってはいないんですけど、

確実にお互いが自分の方向に真っ直ぐ向いている。

そしてお互いがお互いの存在に真っ直ぐ向き合っている。

それが「恋愛的な好き」であろうと「友情的な好き」であろうと、

真っ直ぐ向き合うその姿勢の美しさは変わらない訳です。

お互いが真っ直ぐ飛ぶ青い鳥の姿。

この美しさを描くためにそれ以前の約85分はあったんじゃあないのか、

と思うほどに清々しい気持ちで映画館を後にさせて頂きました。

やっぱ脆さを抱えつつ強くあろうとする人間は美しいよ。俺もこうなりてぇ。

 

5.一番好きなシーン

上げだしたらキリがないんですが息を飲んで心臓が止まりそうになった表現の豊かなシーンを一つ。

終盤、みぞれが青い鳥を手放す決心をした後の演奏のシーン。

みぞれのソロと掛け合うはずだったのぞみの演奏の描写。

音楽(演奏)、作画、カット割り、完璧でした。

トドメにのぞみが弱々しく演奏する時の息遣い。

のぞみのみぞれに対する羨望、

そしてみぞれの才能に対する絶望がクッキリと見えました。

(ここの演技がもうヤバい。僕も絶望させられるような心地になった)

演出No.1はこのシーンだと胸を張って言います。

 

6.最後に

こういう映画って結局、変化からなるものなので、"無常観"というのにも結びついているのかなぁなんて考えたりします。

というわけで僕の好きな曲の詩の一節を引用しておしまいにします。

いつまでも このままが良い それは嘘 間違ってる

重ねるユメ 重なる嘘 重なる愛 重なるリズム

――くるり「ワールズエンド・スーパーノヴァ

おしまい!5153文字を記録しためちゃ長文章になってしまった!

みんな見よう!サントラ買おう!主題歌もいいぞ!BD欲しい!線画集もな!